日本代表はポーランド戦から一夜明けた29日午前に監督、スタッフ、選手が全員参加してミーティングを開催した。その中で西野監督はフェアプレーポイント差で決勝トーナメントに進出するために時間稼ぎを指示したことについて「勝ちにいくのではなく、このまま(負けを狙いに)いく要求をしてしまって申し訳ない」と、選手の顔を見渡しながら、わびた。選手たちは、W杯にかける思いなどを語ったという

 2大会ぶり3度目の1次リーグ突破を果たしたチームの一体感を生んでいるのが、西野監督と選手の間のこうした言葉のキャッチボールだ。指揮官は、とにかくコミュニケーションを大切にしてきた。就任後の4月末には渡欧し、長谷部、吉田らと自身が考えるチームづくりについて伝え、意見を求めた。徹底的な管理を好むハリルホジッチ前監督は、選手から提案があっても最後は自身の考えを押しつけた。西野監督のマネジメントにより、選手は“束縛”から解放され、雰囲気は確実に上向いた。

 ミーティングも、監督がしゃべりまくる“一方通行”の前体制からガラリと変わった。まず対戦相手の映像を見せ、監督、スタッフが分析結果や対策を伝えるとともに、選手からの意見を積極的に募った。W杯の前はセットプレーについて意見交換。ある選手からは、これまで対戦した中で嫌だった複数のプレーが提示された。24日のセネガル戦でハマった“秘策”のオフサイドトラップからは、ピッチ内外での連帯感を感じた。

 1次リーグのセネガル戦後、本田は指揮官の印象について「対話ですよね。西野さんがすごいのは、人の意見を受け入れることが強み。すごく評価すべき部分。今回のメンバーは提案できる選手が多いのでマッチしている」と語った。監督と選手の“対話力”が下馬評を覆した原動力だ。(斎藤 成俊)

スポーツ報知 7/1(日) 7:03配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180701-00000064-sph-socc