【カザン(ロシア)=本社特派員・岡田拓也】サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で1次リーグH組2位で決勝トーナメントに進んだ日本代表は29日、ベースキャンプ地カザンで練習を再開。日本は7月2日午後9時(日本時間3日午前3時)からロストフナドヌーで行われる1回戦で、初の8強入りを懸けてG組1位のベルギーとぶつかる。

 日本は28日のポーランド戦で0−1と敗れたが、H組2位に滑り込み、アジア勢で唯一16強入りを果たした。チームは試合後にカザンに戻った。

 日本の国際サッカー連盟(FIFA)ランキングは61位で、ベルギーは3位。過去の対戦成績は日本の2勝2分け1敗で、昨年11月の国際親善試合では0−1で敗れた。



 ■1次リーグ突破 試合重ね 結束力強く

 【カザン(ロシア)=本社特派員・岡田拓也】日本代表は、試合を重ねるごとに結束力が強くなっていった。「史上初の8強」。28日のポーランド戦は敗れたが、同じ目標に向かい一丸となったチームは1次リーグ突破を果たした。

 ポーランド戦は第1、2戦から先発6人を入れ替えた。試合2日前に告げられたチーム内には、戸惑いがあったという。しかし、気持ちをすぐに切り替えた。W杯初先発を託された宇佐美貴史選手(デュッセルドルフ)は「23人全員で戦っていることを表現したかった」とピッチに向かった。2010年南アフリカ、14年ブラジルから3大会目で初めて先発を外れた長谷部誠主将(アイントラハト・フランクフルト、藤枝東高出)も「誰が出てもお互いを信用している。万が一、ポーランド戦で(1次リーグに)敗退しても後悔は一切ないと思っていた」と仲間に命運を託した。

 きっかけは、大会前最後に行われた12日のパラグアイ戦だった。直前のスイス戦から10人を変更し、西野朗監督就任後の初勝利を挙げた。その勢いでロシアに乗り込み、コロンビアとの初戦で最高のスタートを切った。長谷部選手は「今の流れをつくったのはパラグアイ戦に出た選手たち。その多くがポーランド戦に出た。お互いの信頼感は間違いなくあった」と言う。

 ポーランド戦は別会場の状況を見極め、終盤は攻めずにリスクを負わない戦い方を選んだ。もちろん、長友佑都選手(ガラタサライ)は「攻めたい気持ちは自分の中にあった」と本音を口にし、宇佐美選手も「(攻撃に)いかないといけないという話はあった」と振り返る。だが、指揮官の思惑を選手は即座にピッチで反映し、認めたくない敗戦を受け入れた。「1次リーグ突破」への強い目的意識をチーム内で共有し、ほころびが出ることを防いだ。

 10年南ア大会に続く16強入りを果たした川島永嗣選手(メッス)は「誰が出てもチームのために献身的にできるし、感覚を共有できる。10年大会以上のまとまりがある」と話す。強固な絆を築いた西野ジャパンが、日本サッカー界の歴史を変える勝利を目指して決勝トーナメントに挑む。

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