後半2分、エースに声がかかった。岡崎(レスター)に代わってピッチに立った大迫(ブレーメン)は、チームに勝ち点をもたらす仕事ができなかった。「勝ち上がるためにと思っていた。負けたのは素直に残念」。悔しさをにじませた。

 ストライカーにとっては苦い指示が飛んだ。1点を追う中、後半の残り10分近くから、チームは失点のリスクを考え、攻撃を放棄して守備に重心を置いた。「切り替えることはできた。1次リーグを突破するために試合をしているので、普通のこと」。指示を受け入れて、最前線で黙々と役目を果たした。

 決勝トーナメント1回戦の相手は、昨年11月に対戦して以来のベルギー。7カ月前は相手守備陣の厳しい対応に手を焼いた。ゴールを挙げなければ勝ち上がるのは厳しい。「(ポーランド戦は)前線の選手4、5人がベンチスタートだった。次は積極的に戦える」と前向きだ。

 19日のコロンビアとの1次リーグ初戦で決勝点を挙げ、高校時代、対戦相手に言われた「半端ない」が再びブームになった。「みなさんが意識してくれることは、ありがたい」と歓迎するが、それ以降、得点はない。

 日本をW杯史上初の8強へと導く思いは強い。「(大事なのは)次じゃないですか。今までなし得なかったことなので」。真のエースの仕事を果たす。(小川寛太)

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