未来を予測するのは不可能だ。そんなことができれば、世界は株式投資で巨万の富を得た人々であふれてしまうだろう。戦争も消滅するに違いない。

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 だが、我々素人は、プロの分析を知りたいと願う。そして残酷ではあるのだが、その予測と結果を照らし合わせて感心したり、驚いたりする……。

 サッカー解説者や有名人が、ロシアW杯の日本代表に対して、どのような予想を発表したのかを振り返りたい。しかし今回は、ヴァヒド・ハリルホジッチ監督(66)の解任という極めて珍しいハプニングが発生したため、開幕直前の絶望感が非常に強かった。

 そこで、この稿では、時系列で予想を紹介させていただく。つまり、最初はハリル監督時代から始まるわけだ。トップバッターはセルジオ越後氏(72)。出典はTBSラジオの公式サイトになる。

 このサイトには「久米宏 ラジオなんですけど」(毎週土曜13時〜14時55分)に出演した時の予想が再録されている。日付は昨年(2017)12月9日となっているから、もちろんハリル解任など誰も考えていない時期のものだ。

 老獪といっては失礼かもしれないが、慎重なセルジオ氏は直接的な順位は口にしない。ただ、遠回しな表現ではあるが、「最下位の可能性」を示唆する。

「ご意見番」は“最下位”を密かに示唆? 

《「気持ちとしては日本代表のレベルは上がったと思いたいです。でも日本は、4年前も今もずっとポット4なんです。ということは、どの組に入ってもみんな格上の国だということです」(セルジオさん)

 ワールドカップでは1次リーグで強豪国同士がぶつかって早々に姿を消してしまわないよう、出場32ヵ国をまず実力別に4つのポットに分けてから組み合わせ抽選が行われるのです。いちばん強い国々がポット1。いちばん弱い国々がポット4。日本はこのポット4からずっと抜け出せないでいるのです。つまりどのグループに入っても日本にとっては「死の組」になるというのがセルジオさんの主張》(TBSラジオ「久米宏 ラジオなんですけど」公式サイト:17年12月9日)

 ちなみにセルジオ氏はW杯直前の6月9日、自身がコメンテーターを務める「追跡LIVE!  Sports ウォッチャー」(テレビ東京系列)で、1次グループの突破確率を「1〜2%」と断言した。

 だが現実のW杯で日本はコロンビアに勝ち、セネガルに引き分けた。今のところは1位をキープしている。

 そうした現実を直面しても、全くぶれないのがセルジオ氏の美徳だろう。初戦に勝利しても、「コロンビア撃破も『喜ぶのは次勝ってから』 セルジオ越後氏『盆と正月が来たような幸運』」(サッカーキング:6月20日)と常に警鐘を鳴らし続ける。これこそが「ご意見番」の面目躍如に違いない。

つづく

ディリー新潮 6/27(水) 6:01配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180627-00544506-shincho-ent

写真https://amd.c.yimg.jp/amd/20180627-00544506-shincho-000-1-view.jpg