「ロシアW杯・H組、コロンビア−日本」(19日、サランスク)

 ロシアW杯に臨むサッカー日本代表は19日、1次リーグH組初戦でコロンビアとサランスクで対戦する。チームを率いる西野朗監督(63)にとっては、就任から約2カ月という短期間で迎える大舞台。日本が出場した過去のW杯では、初戦に勝ち点を挙げた場合のみ、1次リーグを突破している。準備期間に戦った3試合を「すべてはコロンビア戦のために」と話してきたチームにとって、大一番を迎える。

 真価が問われる一戦が迫っている。4月12日、正式に日本代表の指揮官に就任した西野監督は「最高の化学反応が起こるチーム」を目標に掲げた。W杯メンバー23人を選ぶ際には、経験値やポリバレント(多様性)を重視。FW岡崎、MF本田らハリルホジッチ前監督時代に代表から遠ざかっていたメンバーも復帰させた。

 本大会まで時間がない中で、指揮官が選んだ勝負の道は「すべての可能性を探ること」だった。就任後、指揮を執った3試合はいずれも異なる先発メンバーをピッチに送り、初陣のガーナ戦では3バックの布陣もテスト。コロンビア戦の対策を立てた上で23人のメンバー選考を行うのではなく、複数のポジションをこなせ、柔軟な戦術に対応できる選手を探してきた。

 就任から2戦は、ともに0−2。方向性が定まらず、結果が出ない現状にチーム内から危機感も噴出したが、スイス戦後の指揮官は「チームとして危機感というのはまったく感じていません」と断言。14日から始まった、ベースキャンプ地カザンでの練習から、チームの方向性は固まり始めた。翌15日からは連日、非公開練習を実施。セットプレーなど、細部の戦術を詰める段階を経て、決戦の地・サランスクへとやってきた。

 4年前のブラジル大会で惨敗したコロンビアとの再戦は、“日本サッカーにとってのリターンマッチ”という位置づけでもある。日本協会の田嶋会長は、3年半指導したハリルホジッチ前監督を「多少のコミュニケーション不足、選手との信頼関係が薄れてきた」と大会直前で解任。ロシアまでの4年間が、大会でどんな結果に結びつくかという詳細な検証はもう不可能になったが、「勝つ可能性を1%でも高めるために、オールジャパンで臨む」と西野体制に希望を託した。

 2大会ぶりの16強入りを目標とする日本。その成否を大きく左右するコロンビア戦で、結果を残せるか。

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