アクション数は原口の67回に対して、宇佐美は24回のみ

 日本代表は現地時間8日に行なわれた国際親善試合スイス戦で0-2と敗れた。この試合で4-2-3-1システムをテストするなど西野ジャパンの試行錯誤が続くなか、注目のポジション争いを繰り広げているのが左アタッカーだ。スイス戦では宇佐美貴史が先発し、後半途中から乾貴士に交代。データからは宇佐美の貢献度の低さが浮かび上がっている。

 西野体制の初陣となった5月30日の国際親善試合ガーナ戦(0-2)で3-4-2-1、3-4-1-2、4-4-2と3システムをテスト。そして今回のスイス戦では4-2-3-1を一貫採用し、2列目中央に本田圭佑、左に宇佐美、右に原口が起用された。

 データ分析会社「InStat」社が試合後に公開したデータを見ると、右の原口と左の宇佐美で顕著な違いが見られる。原口がフル出場(90分)、宇佐美が後半11分(56分)までとプレー時間が異なるだけに全く同じ条件とは言えないものの、二人の差は一つの指標になるだろう。

 アクション数を見ると、右の原口が67回なのに対して、左の宇佐美は24回と半分以下にとどまっている。宇佐美の回数は先発のフィールドプレーヤーの中で大迫に続いてワースト2位。1トップの大迫は相手を背負ってプレーする機会が多く、前半40分に負傷交代しているだけに、宇佐美の少なさが際立っていると言える。

スイス(赤)と日本(青)の平均プレーポジション【データ提供:Instat】
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180611-00110308-soccermzw-socc.view-001

パス数の差も顕著、平均ポジションで交代した乾と大きな違い

 パス数を見ても、原口と宇佐美は大きな差が見られる。原口の49本に対して、宇佐美は13本でおよそ4分の1にとどまっている。中盤全体でも長谷部が49本、本田が39本、大島が36本となっており、宇佐美がひと際少ない。両サイドで攻撃の比重が異なったとはいえ、アクション数と併せて考えれば宇佐美の貢献度は低いと言わざるを得ないだろう。

 また選手の平均ポジション(図)を見ると、宇佐美(青11番)と原口(青8番)の違いが見て取れる。さらに宇佐美と交代した乾(青14番)の位置取りを見ても、外に張るようなポジションを取っており、宇佐美よりも高いポジションでプレーしていた。日本の左サイドは、スイス代表の強力アタッカーであるMFジェルダン・シャキリと対峙していただけに、守備の比重が強まったのは自然の流れだ。ただし、それによって宇佐美の存在感が薄れていたのも事実である。

 西野監督はガーナ戦、スイス戦と2試合連続で宇佐美を先発起用しており、その事実からも指揮官が寄せる期待感が透けて見える。10日のトレーニングで西野監督と話し込み、宇佐美は「シュートがなかったことと、そのなかでのフィーリングについて少し話をしました」と明かした。

 直近2試合では持ち味を十分に発揮できずに終わった宇佐美。6月2連戦で全員を起用するという方針のもと、パラグアイ戦ではベンチスタートが予想されるが、果たして指揮官は最終のテスト起用に踏み切るのだろうか。

データ提供元:Instat

Football ZONE web編集部
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