0001THE FURYφ ★
2018/06/02(土) 17:22:02.17ID:CAP_USER9女性伝習者が初級の審査に合格した。京都市の主婦、鈴木八寿子(やすこ)さん(48)。これまで男性だけに門戸が
開かれていた流派に新たな風を吹き込み、「末永く続け、杖よりも槍(やり)の似合うおばあちゃんになりたい」と喜びに
浸っている。
宝蔵院流槍術は興福寺の僧・胤栄(いんえい)が16世紀半ばに創始したとされる。穂先が十字型の鎌槍「十文字槍」を用い、
「突けば槍、薙(な)げば薙刀(なぎなた)、引けば鎌 とにもかくにも外れあらまし」と詠まれるなど、攻防ともに優れた
槍術として発展。江戸時代には多くの藩が取り入れ、全国に広まった。
奈良や大阪、名古屋、東京のほか、ドイツ・ハンブルクにも道場や稽古場があり、現在は20代前半から70代後半まで
約100人の伝習者が技を磨く。
発祥以来、伝習者は男性のみという伝統を守り続けていたが、伝承を担う奈良宝蔵院流槍術保存会(奈良市)の内部で
「伝承のみを理由に女性を断る理由はない」との声が浮上。昨年4月から、女性の伝習者を受け入れることになった。
鈴木さんは同3月、奈良市で開かれた武道体験イベントで、夫の直(なおし)さん(48)と一緒に宝蔵院流槍術を初体験。
それまで武道の経験もなく、スポーツも苦手だったが、「ほんの出来心」(鈴木さん)で、他の2人とともに初の女性伝習者となった。
稽古用の素槍(長さ3・6メートル、重さ2・5キロ)と鎌槍(同2・7メートル、同2・1キロ)はカシの木で作られており、その長さから
重心を安定させるのは難しい。男性でも自在に扱うには修練が必要だ。鈴木さんは「最初はふらふらして、狙った場所を突くことが
できなかった」と振り返る。それでも、「槍の『非日常感』が楽しかった」と毎週の稽古に欠かさず参加し、徐々に槍の扱いに
慣れていったという。
4月にあった「初級」への昇級審査には、昨春一緒に入門した直さんと挑戦。突いたり、相手の槍をたたき落としたりする
14の基本型「表十四本」を審査員の前で演武し、夫婦そろって合格を果たした。
今年は新たに2人の女性が入門し、「仲間が増えると稽古も楽しい。これを機に女性の伝習者がもっと増えてくれれば」と話す。
鈴木さんを指導した宝蔵院流槍術21世宗家の一箭(いちや)順三さん(69)は「1年間、稽古をよく頑張った。後輩の女性にも
伝統を伝えていってほしい」と期待を込めた。
https://www.sankei.com/west/news/180523/wst1805230034-n1.html
https://www.sankei.com/west/news/180523/wst1805230034-n2.html