日大アメフト“反則行為” 「オレが追い込んだ」コーチ指示認める発言

 日本大学アメリカンフットボール部の選手による悪質な反則行為で新たな証言です。問題の試合のあとにコーチが反則行為の指示を認める発言をしていたという選手の証言が出てきました。

 「お願いします。あけてください、あけてください」(井上奨コーチ 今月19日)

 今月19日、日本大学の内田正人前監督が初めて公の場で取材に応じた際、井上奨コーチの姿がありました。内田前監督にぴったりとくっついて報道陣からガード、前監督が手ぶらで歩く横で、井上コーチは右手にカバンを2つ持っているように見えます。

 「被害者への謝罪の第一歩」として、実名を出し、22日に会見した日本大学の宮川泰介選手。今月6日の関西学院大学との定期戦で、相手のクオーターバック選手の背後から悪質なタックルをした理由について、井上コーチの名前を出して、こう証言しました。

 「練習後、井上コーチから監督にどうしたら試合に出られるか聞いたら、『相手のクオーターバックを1プレー目で潰せば出してやる』と言われた。『クオーターバックを潰しにいくので僕を使ってくださいと監督に言いにいけ』と言われました」(日本大学アメフト部 宮川泰介選手)

 井上コーチは問題の試合の前日、今月5日に直接、宮川選手に「内田監督の言葉」として反則行為を指示したというのです。これに対して日大は・・・

 「『1プレー目で相手のクオーターバックをつぶせ』という言葉があったことは事実です。ただこれは『最初のプレーから思い切って当たれ』という意味です。誤解を招いたとすれば、言葉足らずであったと心苦しく思います」(日大広報部)

 日大側は、「指導と選手の受け取り方に乖離があった」というこれまでの見解を繰り返しました。

 「出した大学のコメントも、ありえないなと。ないなと」(日大学生)

 「監督にもちゃんと話してほしいと思って。真実を」(日大学生)

 日大側は、頑なに宮川選手への指示を否定していますが、一方で、井上コーチがこんな発言をしていたことが新たにわかりました。

 「俺が宮川に追い打ちをかけた」(井上コーチ)

 井上コーチが問題の試合の10日後の今月17日、部員を集めたミーティングの中で、反則行為の指示を認めるような発言をしていたと現役部員がJNNの取材に証言しました。

 「監督から『こいつのは自分がやらせた』『こいつが成長してくれるならそれでいい』『相手のことを考える必要はない』という話がありました」(日本大学アメフト部 宮川泰介選手)

 真っ向から対立する宮川選手と日大アメフト部首脳陣の見解。井上コーチがよく訪れていた店の店主は、監督とコーチの関係をこう表現しました。

 「逆らうことはできないでしょうね。“神の声”。ボディーガードみたいについてるでしょ。もう師匠みたいな感じだから」(とんかつ山路 山路順さん)

 宮川選手と同じように、井上コーチもまた内田前監督には逆らえない関係だったといいます。「反則の指示をした」との証言が相次いでいる内田前監督と井上コーチ。日本大学の広報部に改めて見解を求めようとしましたが・・・

Q.広報はなんて答えろと

 「会見の予定はないのでお引き取り願います。それだけでいいと」(日大の警備員)

 大学側は報道陣を門前払いし、対応しませんでした。この問題を調査している関東学生連盟によりますと、監督やコーチへの調査はすでに終わっていて、今月中にも臨時理事会を開催し、日大アメフト部への処分を決定するということです。
http://news.tbs.co.jp/sp/newseye/tbs_newseye3376699.htm