松本人志さんの「初代相方」伊東慎二さん
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もし、あの時ああしていれば、もっと華々しい人生が…。誰もが一度は感じるであろう後悔や嫉妬。この人はどうたったのでしょうか。あの松本人志さんがダウンタウンとしてデビューする前に、漫才コンビを一緒に組んでいた男性がいます。その「元相方」に、35歳の記者が人生相談を兼ねて話を聞きました。(朝日新聞記者・阪田隼人)

■出会いは「おもろないわ」

<松本さんの同級生だった伊東慎二さん(54)。さかのぼること40年以上前、兵庫県尼崎市の小学校で、2人は3年生の頃に同じクラスになった。松本さんが最初に放った奇妙な一言が、伊東さんは忘れられないと言う>

「最初の1カ月は全然話していなかったと思うんです。僕は当時から、お笑い好きで、一発ギャグなんかをよくやってたんですよ。女の子や先輩の前でおもろいことやって、ゲラゲラ笑ってたんですね」

「ある日、そんな僕を松本は、教室の隅でじっと1人で見てたんです。そして、ぼそぼそした声で『全然おもんないわ』『全然おもんないわ』と繰り返し言いよった(笑)」

――衝撃の出会いですね(笑)。腹が立ちませんでしたか

「そう。そんで、僕が『じゃあじぶん、何かおもろいことできんのかいな』と言うと、松本は『俺はそんなギャグみたいなことはせーへん』と言うてました」

「その後すぐに、お互いの家に遊びに行くようになりました。当時から、松本は想像力豊かでしたよ」
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■「よく、おっさんをイジってました」

<笑いを通じてすぐに仲良くなった2人は、やがて漫才コンビを結成する。子どもっぽくない特異なネタだった>

――どんなことをして、笑いあっていたのですか

「大人の恥部をえぐるような、いやらしー感じでしたね(笑)。よく、おっさんをイジってました。例えば、歩いている大人を見て、松本が『おっさん、ごっつ刈り上げとるな』と言うと、僕が『おっさん、見事な口ひげをたくわえとるな』と返して笑う」。

「今考えると、小3が使う言葉と違いますね。松本も僕もそういうところの感性が合って、溶け込んでいったのかなあと思いますね」

――漫才コンビはどうやって誕生したのですか

「僕の方が『漫才やろうや』と誘ったんです。地域のクリスマス会や学校のイベントで披露してました。練習は僕の家でやることが多かったですね」。

「評判が良かったものに、歯医者のネタがありました。近所にイトタガワとクマガイという二つの歯医者があったんです。イトタガワは患者が多くて、ちょっと歯をいじっては3日後に来さす」

「一方、クマガイはおじいちゃん先生で、大流行のイトタガワと違ってガラガラ。それをネタにしてやりました。たぶん松本が考えたと思うんですが、商店街で2人の院長先生がばったり会う設定です」

『おまえのとこ、ちょこちょこ患者呼んではぼったくってるらしいやないか』(クマガイ)
『おまえのとこは、薄暗くて理科室の臭いすんなあ』(イトタガワ)
『えーやないか別に。俺の方が年上やぞ。なんちゅう口きくんや』(クマガイ)

「商売敵が、だんだん押し問答になる。みんな、実際の歯医者を知ってるから余計に笑う。これ小学生が考えたネタですよ。やらしい感じですね(笑)」

■浜田とのけんか、松本との別れ

<当時、学校にはダウンタウンの浜田雅功さんもいた。松本さんと浜田さんが、中学2年で同じクラスになり急接近する。一方、伊東さんは別のクラスになった。ある日、3人で遊んでいた時に「事件」が起きる。浜田さんと伊東さんが、けんかになったのだ>

「けんかの原因はあまり覚えていないんです。ただ、僕はいちびりなので、浜田をイラッとさすことをよく言うてたと思います。そのときも、そうだったんでしょう。まあ、けんかといっても一方的にやられたけどな。急にヘッドロックされて、路上の壁に頭をぶちつけられたのは覚えてますわ(笑)」。

「それから、浜田が『まっつん(松本さんの呼称)、もう行くぞ』と言って…、そのまま2人は帰っていきました」

「それから、2人とは遊ばなくなり、違う友達とつきあうようになりました。僕の方から離れていったんです」

>>2以降に続く

5/22(火) 7:00
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