第71回カンヌ国際映画祭の授賞式が現地時間19日にフランスで行われ、コンペティション部門に出品されていた是枝裕和監督作『万引き家族』が最高賞となるパルムドールを受賞する快挙を成し遂げた。日本人が受賞するのは1997年の今村昌平監督作『うなぎ』以来21年ぶり。

 是枝監督は、2001年に『DISTANCE/ディスタンス』で、同映画祭コンペ部門に初出品。2度目の出品となった2004年の『誰も知らない』で、柳楽優弥に史上最年少の男優賞獲得をもたらし、
2013年に福山雅治が主演した『そして父になる』で審査員賞を受賞した。今回は『海街diary』(2015)から3年ぶり、5回目のコンペ出品となり、ついに最高賞の栄誉に輝いた。

日本人監督としては、『地獄門』(1953)の衣笠貞之助、『影武者』(1980)の黒澤明、『楢山節考』(1983)、『うなぎ』(1997)の今村昌平に続き、史上4人目のパルムドール受賞者となる。

『万引き家族』は、東京の片隅で暮らす、犯罪でつながったある一家の姿を通して、本当の家族の絆を問う人間ドラマ。是枝監督が、
「この10年間考え続けてきたことを全部込めた」という渾身作で、リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、樹木希林、子役の城桧吏と佐々木みゆが出演。日本では6月8日より全国公開される。

 日本からは、濱口竜介監督作『寝ても覚めても』(9月1日公開)もコンペ部門に出品されていたが惜しくも受賞を逃した。(編集部・入倉功一)

第71回カンヌ国際映画祭の受賞結果は以下の通り。

【パルムドール(最高賞)】
『万引き家族』(日本) 是枝裕和監督

【グランプリ】
『ブラッククランズマン(原題) / Blackkklansman』(アメリカ) スパイク・リー監督

【審査員賞】
『カペナウム(原題) / Capharnaum』(レバノン) ナディーン・ラバキー監督

【監督賞】
パヴェウ・パヴリコフスキ監督 『コールド・ウォー(英題) / Cold War』(ポーランド、イギリス、フランス) 

【男優賞】
マルチェロ・フォンテ  『ドッグマン(原題) / Dogman』(イタリア、フランス)

【女優賞】
サマール・イェスリャーモワ  『アイカ(原題) / Ayka』(ロシア、ドイツ、ポーランド、カザフスタン)

【脚本賞】
アリーチェ・ロルヴァケル 『ハッピー・アズ・ラザロ(英題) / Happy As Lazzaro』(イタリア、スイス、フランス、ドイツ)
ジャファール・パナヒ  『スリー・フェイシズ(原題) / 3 Faces』(イラン)

【特別審査員賞】
『イメージ・ブック(英題) / Image Book』(スイス) ジャン=リュック・ゴダール監督

【短編コンペティション】
パルムドール
『オール・ジーズ・クリーチャーズ(原題) / All These creatures』(オーストラリア) チャールズ・ウィリアムズ監督

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