★岡田武史 第1次(下)

W杯初出場を「ジョホールバルの歓喜」と呼ばれるイラン戦(1997年11月16日)で決めると、日本中に“岡ちゃんフィーバー”が巻き起こった。
一挙手一投足を24時間監視されるような状態。記者はある日、都内のホテルで缶詰めになっていた岡田監督から「おい、この辺でまずいラーメン屋を知らないか?」と声をかけられた。

95年に日本代表コーチに抜擢される前は、J1市原(現J2千葉)の2軍コーチ。わずか2年で激変した環境に追いつけず「(ホテルの食事は)うまいものばかりで食い飽きた」というのだ。
リクエスト通りラーメン店に入ったら、「岡ちゃんだ!」と取り囲まれサインを求められた。もちろん丁寧に応じていたが、内心苦虫をかみつぶす日々が続いた。

しかし、世間の反応はもう1度激変する。いうまでもなく、W杯直前のスイス合宿で三浦知良(現J2横浜FC)、北澤豪氏、市川大佑氏の3人を最終メンバーから外し、猛バッシングを浴びた一件だ。
特にカズの落選は「コーチにも相談せずに自分で決めた」。確かに、当時のカズは最終予選の韓国戦で尾てい骨を痛め、コンディションはよくはなかった。

実は監督就任初戦のウズベキスタン戦では、中田英寿氏を「ナマイキだったから」とスタメンから外している。こうした決断には躊躇しない。
それでも歴代日本代表監督で、岡田監督ほどメンバー編成に苦労した人はいない。フランス大会終了後、改めて「なぜカズを外したんですか?」と聞いたことがある。

「誰だっていい人といわれたいが、W杯には23人しか連れて行けないんだよ」とつぶやき、「男ってものにはな、棺おけまで持っていかなきゃいけないことがあるんだ。
お前もそのうちわかるよ」と複雑な事情をうかがわせ、寂しそうに笑った。(夕刊フジ編集委員・久保武司)

2018.5.17 夕刊フジ
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