暴力問題や女人禁制問題で、世間からのイメージがどんどん悪くなる相撲協会。鎮火したかに見えた「貴乃花問題」に再燃の兆しが出てきた。関係者の間では早い段階から、審判部の内情に注目が集まっていた。

「貴乃花親方が“どのローテーションに配されるか”という問題があったからです。土俵下にいる審判は4班に分かれていて、前相撲から結びの一番までのローテーションを組む。本来、一代年寄の貴乃花親方なら審判長が相応しいが、懲罰的に新米親方がローテーションに組み込まれる“時計係”になるかもしれない、と話題になっていた。

 現役時代は兄弟子でありながら、引退後に年寄株問題や指導方針を巡って対立し、今では“犬猿の仲”となった高田川副部長(元関脇・安芸乃島)が審判副部長にいるだけに、そうした見方に説得力があった。そして今度は、(場所後に大関昇進の可能性もある)栃ノ心が微妙な成績に終わった場合に、場所後の会議で因縁の2人が議論を戦わせることになるのではないか、という話になってきたのです」(同前)

 表向き、貴乃花親方は春場所中に弟子の十両・貴公俊(現幕下)が暴行事件を起こしたことをきっかけに、協会執行部に対して“全面降伏”したように見える。

 だが、5月場所前に、対立の再燃を予感させる動きがあった。5月2日、両国国技館で臨時年寄総会が行なわれ、勢ぞろいした親方衆の前で貴乃花親方が質疑に応じた。

「司会進行役に立ったのは年寄会の新会長になった入間川親方(元関脇・栃司)で、冒頭に“これで一連の騒動が収束してほしい”と挨拶。会場では、昨年11月の貴ノ岩(十両11)への暴行事件の経緯に関して、貴乃花親方が内閣府に対し提出した告発状のコピーが配布され、それを読んだ親方衆からの質問に貴乃花親方が答えるという形で進行しました」(協会関係者)

 複数の出席者の話によれば、その場の議論は決して穏やかなものではなかった。騒動は収束するどころか、混迷を増すような雲行きになったという。

5/14(月) 16:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180514-00000014-pseven-spo