「海賊版という認識なかった」 Anitubeに毎月広告費1300万円を支払っていた代理店が取材に応じた
Anitubeの運営者が起訴されていたことも分かりました。
5/9(水) 10:05配信 ねとらぼ
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1805/08/news131.html
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180509-00000029-it_nlab-sci

海賊版サイト問題で注目されている広告代理店のモラルと責任。複数の関係者へ取材を続けたところ、渦中の海賊版サイトに広告を配信していた代理店Z社が取材に応じ、Anitubeに月1300〜1500万円の広告費を支払っていたことを認めました。また取材の過程でAnitubeの運営者が2017年10月に起訴されていたことも分かりました。

●Anitubeと密接な関係があった広告代理店Z社

動画海賊版サイト「Anitube」は、政府から漫画村などとともにサイトブロッキング対象として名指しされた一つ。多くのアニメなどが無断で配信されていましたが、4月16日ごろからサイトへアクセスできなくなりました。

サイトにはいくつかのWeb広告が貼り付けられており、広告料がAnitubeの運営費になっていたことは間違いないとみられています。

広告代理店Z社はAnitubeと関わりを持っていた企業で、アドネットワークを経由してDMMのアダルト広告、NTTソルマーレが運営する電子書籍配信サイト「コミックシーモア」、アムタスが運営する「めちゃコミック(めちゃコミ)」のアダルト広告、リアズが運営するチャットアプリの広告などを配信していました。

DMM、NTTソルマーレに関してはこれまでの取材で、掲載NGのサイトを記した「ブラックリスト」を広告代理店側に配布していることが分かっていますが、海賊版サイトは日々増えていっているということもあり、各広告代理店はリスト入りを免れたサイトに続々と広告を配信していたようです。さらに悪質な広告代理店では、ブラックリストを企業側から受理しているのに掲載を続けるといったケースもあるとのことで、広告代理店側のモラルが問われています。


●Z社「海賊版サイトと認識しておりませんでした」

 ねとらぼ編集部では社名があがったZ社に取材を交渉。なぜ海賊版サイトへ広告を配信していたのか、出稿主は海賊版サイトへ広告を配信しているという認識があったのかなどの質問をぶつけたところ、企業名を出さないことを条件に、取材に応じてもらうことができました。

――Anitubeとの取引が始まったのはいつ頃からでしょうか。

Z社:2014年からです。

――月にどれ位の広告費が支払われていましたか。

Z社:月によって変動はありますが、平均で月1300〜1500万円程度の取引がありました。

――どういったいきさつでAnitubeと取引を始めることとなったのですか。

Z社:当時の担当者が退職しているため取引に至った経緯は不明です。申し訳ございません。

――Z社がAnitubeなどの海賊版サイトに広告を配信しているということは把握していましたか。

Z社:海賊版という認識はありませんでしたが、2018年2月にアニメ・マンガ海賊版対策協議会に委託された企業より弊社に問い合わせがあり、Anitubeは海賊版サイトの可能性が極めて高いと判断し、3月末にて取引を停止しました。

――編集部では一連の取材で、Anitubeはブラジルの「ANIGRUPO AGENCIAMENTO DE ESPACOS PUBLICITARIOS LTDA」という法人が運営しており、運営者についてはMaurilio Sueo Nos氏ではないかとみています。この情報についてはいかがでしょうか。

Z社:運営者であるかは把握しておりませんが、弊社が広告取引を行っていた際の担当者はご指摘の方で相違ありません。

――海賊版サイト等に広告が出てしまう可能性について、クライアントには説明していましたか。またクライアントから「Anitubeに出稿したい」など、海賊版サイトを指定して出稿するケースはありましたか。

Z社:海賊版サイトと認識しておりませんでしたので、弊社から特段の説明はしておりませんが、クライアントよりAnitubeと媒体指定されるケースもありました。

>>2以降に続きます。