「他の番組と違って、キュッと心が苦しくなるような、そんな気持ちでレインボーブリッジを22年間渡ってまいりました」
(岡村隆史/フジテレビ「めちゃ×2イケてるッ!」3月31日放送)

ついに「めちゃ×2イケてるッ!」が3月31日の放送をもって、約22年にわたる歴史に終止符を打った。
その最終回で、ナインティナインの岡村隆史(47)は、「めちゃイケ」の収録でお台場のフジテレビに向かう時、
ワクワクするような気持ちになれたことは一度もなかったと告白した。

しんどかったり、苦しかったり、痛かったり。常に精神的な負荷がかかっていたと吐露した言葉を今週は取り上げたい。
彼が最も心がキュッと苦しくなりながら収録に向かったのは、恐らく2010年11月の復帰回だろう。

岡村は「めちゃイケ」のエースとして、伝統の枠「土曜8時」を守ってきた。だが、2010年にその無理がたたったのか、体調を崩し長期休養に入った。復帰時期は未定――。
もしかしたら、もうテレビで岡村の勇姿が見られなくなるのではないかと思われた。だが、わずか約5カ月で岡村は奇跡の復活を果たしたのだ。

収録前日、岡村は不安と恐怖で張り裂けそうになっていた。行きたくない、と心境を吐露していた。
その相手は女優・酒井若菜。かつて「役者をバカにしないで下さい」「芸人なめんな」と言い争い「絶交」状態だったが、
岡村が病床に倒れたのを知ると、彼女は自らの経験をもとに「私が必ず救います」と彼の休養中、
毎日のように連絡しあっていたという。

「病気が病気だから、いじりにくいと思われそうだし。太ったし」
(キノブックス「酒井若菜と8人の男たち」16年2月25日発売)

岡村のその言葉に今度は酒井が「芸人なめんな」と思った。
いじりにくい? バカなことを言うな。岡村を待っている「めちゃイケ」のメンバーは一流の芸人たちばかりだ。絶対に笑いに変えてくれるはずだ。

「エース不在の間、土曜8時を守ってきた人たちを信じたほうがいい」(同前)
そんなふうに語る酒井に岡村は「ほんまにそうや」と言って収録に臨んだ。
そして、よゐこの有野晋哉の「あれ? 太ってる?」の一言を皮切りに収録は大きな笑いに包まれた。

最終回の告白でも、以前は「岡村隆史という神輿を担いでくれている」にもかかわらず、
そのメンバーが信じられず「正直なところ独りでやってるぐらいの気持ちのときもあった」と振り返ったが、
復帰後に岡村は変わった。メンバーを信じ、任せるところは任せるようになった。岡村は最後は言葉に詰まり、号泣しながら言った。

「『めちゃイケ』は、僕の青春でした」

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