(セ・リーグ、阪神2−3中日、1回戦、中日1勝、6日、京セラ)あぁ、哀しきホーム開幕戦…。阪神は京セラドームで中日に2−3で敗れ、勝率5割に逆戻り。先発の藤浪晋太郎投手(23)は悪送球に暴投に押し出しと、自滅で五回途中に降板した。金本知憲監督(50)は「全員バントされたら全部ヒットですよ」と呆れ顔。登板2試合目にして、はやくも“最後通告”だ。

 見ているのが辛い野球が、そこにあった。ホーム開幕に3万5714人が詰めかけた京セラドームは、ざわめきと、深いため息に包まれた。これぞ独り相撲。演じたのは藤浪であり、呆れ、怒ったのは金本監督だ。

 いきなり四球を許し、盗塁され、送りバントされるとアンダースローで一塁悪送球。直後、とんでもないすっぽ抜けの暴投で1点献上。これが一回。五回は二死二、三塁から8球連続ボール球で押し出しで2点目。そのまま交代を命じられた。

 今季のチームの命運を託して開幕2戦目に起用するなど、大きな期待を寄せている指揮官の言葉には、怒りと悔しさと無念さと…。あらゆる感情が入り交じっていた。

 「ホンマに読めない。ブルペン大変だわ」

 藤浪の急転する投球内容で大騒動のブルペンに同情した。

 「全員バントされたら全部ヒットですよね、下手したら」

 最も効果的? な藤浪攻略法まで公表。そして…。

 「投内連係出来ないようでは…」

 最後通告とも聞こえる言葉まで飛び出した。

 まだ開幕して2試合しか登板していない。でも本当に立ち直る日が来るのか、ちょっと想像ができない。昨年5月4日に勝利投手になってから、1年近い時が流れ、9度の登板で白星なし(チームは1勝7敗1分)。ホーム開幕は3度目だが、すべて敗戦…。

 ことしに入っても、開幕戦で球界のエース、巨人・菅野を攻略して勝った翌日に先発を託されながら、四球連発で降板。チームも敗れた。DeNAに連勝して帰ってきたこの日のホームでも、この惨状。藤浪の苦しい投球内容が、チームに重いムードと、負の影をしのび寄らせている。

 金本監督は今後について「どやろ。我慢したいところやけど、1年見据えたら。だからといってチャンスをやるというのも、どこまでやっていいのか。微妙ですね、ちょっと」と迷いに迷っている心中を明かした。「(コーチ会議で話を)しないといけないでしょう」。最悪、2軍降格が決断されても不思議ではない状況だ。

 ただ、藤浪自身は前向きだった。「ボール自体は悪くなかった。ストレートを狙ってくる中で押し込めたので、感触は良かったです。単純な力み。自分で作ったピンチだったので、何とかしたいと思ったのが力みにつながって、裏目に出た」。誰もが謎に思える突然の乱調にも、藤浪流の解釈があるようで…。

 だが、今の内容でいつまでも1軍で先発させてもらえるはずなどない。もし次回登板のチャンスが巡ってきて、そこで大乱調を繰り広げたら…。藤浪の野球人生が正念場を迎えようとしている。

4/7(土) 7:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180407-00000021-sanspo-base