第2打席で三振喫した大谷のスプリットに驚愕「あんな高速見たことない」

 エンゼルスの大谷翔平投手は1日(日本時間2日)、敵地でのアスレチックス戦でメジャー初先発初勝利を飾った。6回を投げて1被弾を含む3安打6奪三振1四球で3失点(自責3)でクオリティスタートも記録。そんな二刀流のスターに逆転3ランの洗礼を浴びせた若きスラッガー、マット・チャップマン内野手は日本人右腕を称賛し、カブスのダルビッシュ有投手を例に挙げた。
 記念の1勝を手にした大谷だが、悔やまれる1球があった。2点リードの2回1死一、二塁の場面で迎えたチャップマンに、2球目の甘く入ったスライダーを強振された。ぐんぐん伸びた打球は左中間スタンドに入る逆転3ランとなった。

「幸運なことに、初球にスライダーを投げてくれた。そして、次のスライダーが高めに浮いた。だから、反応できたんだよ」

 1919年のベーブ・ルース以来となる開幕二刀流メジャーとなったスターから初本塁打を記録したチャップマンは、クラブハウスで黒山の報道陣に囲まれながら最高の感触を振り返った。この打席の初球でスライダーの球筋を見たことで、2球目の失投に素早く反応できたという。

 2回に3失点を許した大谷だが、3回から見事に立ち直った。6回を投げ終えて降板するまで4イニング連続無安打無失点で、クオリティスタート(6回以上を投げて自責3以下)を達成した。

「彼は徐々に低めを攻めてきた。最初は高めのボールが多かったから、我々もストライゾーン高めを狙うことができた。だが、彼は後から落ち着きと冷静さを取り戻し、低めを攻め始めたんだ。(後半は)スプリットが速球をより効果的にしていたし、変化球も低めに決まってきた。低めに決まると攻略するのは難しい」

 チャップマンも4回の第2打席はスプリットで空振り三振に仕留められていた。

力強い速球と多彩な変化球を操る姿から想起するのは…
 メジャーの舞台で、ついにベールを脱いだピッチャー・大谷。実際に対戦したチャップマンの目には、同じく日本ハムからメジャー入りを果たした“先輩”の姿に重なって見えたという。

「おそらくダルビッシュ(に近い)だろうね。力強い速球に加えて、いい変化球やスプリットがある。あんな高速スプリッターを見たことがないよ。いいボールだよ。打つのが難しい」

 強烈な速球に加え、変幻自在の変化球を操る姿は、メジャー屈指の右腕を彷彿とさせたようだ。
 
 この日のスタジアムには日米合わせて200人近い報道陣が集結した。

 「大谷の注目ぶり? 今日の投球からすれば相応しいものだろう」

 99年ぶりの本格的二刀流から初めて放った本塁打。後世に語り継がれるかもしれない一撃を記録した若きスラッガーは、大谷のピッチングを褒め称える粋な計らいを見せていた。

Full-Count編集部
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