徳島地裁は29日、徳島市観光協会の破産手続き開始を決定した。徳島市の阿波踊りに4億円余りの累積赤字が生じている問題を巡り、市が債権者として、主催者の一つである協会の破産を申し立てていた。

 市や地裁によると、破産管財人に選ばれた弁護士が協会の全財産を調査して金銭に換え、市などの債権者に分配する。債権者集会は6月28日。

 一方、協会は今回の決定が官報に公示されてから2週間以内に、取り消しを求める即時抗告を裁判所に行うことができる。協会は「30日に臨時の理事会を開き、即時抗告するかどうか対応を検討する」としている。

 累積赤字は協会の特別会計に発生し、市は2月、協会に対し金融機関からの借入金4億3600万円に行っていた損失補償契約を来年度は結ばないことを決定。借入金のうち協会の預金などを差し引いた約3億8000万円の債権を金融機関から無償で譲り受け、今月1日、協会の破産手続き開始を申し立てた。

 地裁で行われた審尋では、協会は累積赤字の解消について、阿波踊りを共催していた徳島新聞社が半額を負担するなどすれば解消できるなどと主張し、市に申し立ての取り下げを求めていた。

 手続き開始決定について遠藤彰良徳島市長は「市の主張が認められた。市としては、市民の負担をできる限り減らすために、裁判所の関与のもとで透明性を確保しながら債権の回収に努めたい」などとコメントした。

3/29 18:50
http://www.topics.or.jp/articles/-/28374

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