日本相撲協会は29日の理事会で貴乃花親方(元横綱)、場所中に暴行問題を起こした
十両・貴公俊(20)の処分が決定される。厳罰が予想されており、貴乃花親方はキャリア組といわれる元横綱として、
33年ぶりに平年寄の屈辱を味わう可能性もある。また「一代年寄剥奪も」という厳しい意見も出ている。

 「一兵卒」の誓いを行動で示してみせた。貴乃花親方は千秋楽の朝稽古が終わると、
おもむろに稽古場とその周囲のごみ拾いをスタート。ペットボトルを集めたり、約40分。
ごみ袋を手に歩き回った親方は「落ち葉拾いですよ」と照れくさそうに話した。

 1988年春場所で入門して30年。「一兵卒でやっていく時代が来ました。
私の人生の中で15年で引退、引退して親方として15年。一区切りというか」と新たな一歩を強調した。

 しかし、29日の理事会では厳罰必至の状況。本当に「一兵卒」としてやり直すことになるかもしれない。
弟子の管理責任に加え無断欠勤問題など処分対象がどんどん累積されている。
降格処分は免れない状況で、中には一代年寄剥奪の声も出ている。

 1月4日に理事を解任された親方。現在は理事から2階級下の役員待遇委員。
その後、理事候補選に落選し、慣例により28日の新職務で平の委員へ1階級降格(処分ではない)する見込みだ。

 厳罰が予想される29日の理事会。2階級降格となれば親方として最下位の平年寄となる。
わずか3カ月で最上位から最下位へ。マックス“5階級降格”となる。

 元横綱はいわゆるキャリア組。スタートは委員と同格の委員待遇年寄である。
平年寄を経験することはまずない。そうなれば、元横綱輪島が1985年に年寄名跡を借金の担保にしたことが発覚し、
委員から年寄へ2階級降格処分を受けて以来33年ぶりの屈辱だ。

 仕事は会場の警備などが基本。部屋でごみ拾いをしてみせたが、理事まで務めた貴乃花親方が果たして
「一兵卒」としてまっとうできるのか。

 「一代年寄剥奪でもいい」というのは、ある理事会出席メンバー。
「一代年寄というのは、現役時代の実績はもちろんだが、親方として将来的にも相撲界に貢献することが
期待されている。そう考えると剥奪されても文句は言えないだろう」と言う。いかなる処分も受け止めるのか。
試されるときがくる。

http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/sumo/news/CK2018032602000171.html