デビュー3年目「藤田菜七子」 GI目前に妬みやっかみの“馬声”
3/23(金) 5:59配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180323-00539695-shincho-horse
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まもなくレース復帰

 人気者には絶えず試練が襲ってくる。日本中央競馬会(JRA)唯一の女性騎手として一昨年デビューした藤田菜七子(20)。間もなく「最高峰」のステージに身を置くことになる彼女に、やっかみの声があるとかで……。

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 一昨年のデビュー時は旋風を巻き起こした藤田も、はや3年目。2016年は6勝、昨年は女性騎手で年間最多の14勝をマーク。今年はこれまで4勝を挙げながら、現在は「騎乗停止」のさなかにある。さる競馬ジャーナリストが言う。

「処分の理由となったのは3月3日、小倉競馬場第9レースでした。藤田の馬が最後の直線で外側に大きく斜行、他の馬の進路を狭めたため、3月10日から18日まで、開催4日間の騎乗停止となったのです」

 馬が原因であれば1日間停止で済むケースもあるが、今回は騎手の責任と見なされ、こうした処分が下ったという。それでも、
「これまで女性ジョッキーは、得てして先行逃げ切り型が多かった。ところが藤田はスタートも得意な上、追い込みを積極的に仕掛けられる。今回の処分は、体幹を鍛えて場数を踏んだ“結果”でもあります」(同)

 通算31勝に到達すると競馬の最高峰「GIレース」への参加資格が得られ、
「このペースでいけば、今年中の達成は可能です」(同)
 というのだ。

■ ジェラシーとサポート

 が、世に嫉妬はつきもの。藤田は現在、茨城・美浦のトレーニングセンターにある根本厩舎に所属。昨秋には、馬主や調教師と騎手との間を取り持つ「エージェント」(騎乗依頼仲介者)契約を、元騎手の中村剛士(たかし)氏と結んでいる。

「中村さんは、14年から3年連続リーディングジョッキーとなった戸崎圭太騎手とも契約している敏腕。こうした人には、強い馬の馬主から騎乗依頼が舞い込みます。
それをダブルブッキングとならないよう騎手にうまく割り振っていくのですが、その“恩恵”で、いい馬が回ってくる場合もあるのです」(競馬記者)

 加えて現在、
「藤田は通算30勝以下の騎手に与えられる斤量3キロマイナスの『減量アドバンテージ』を得ている。勝利を重ねるたび、これらの“待遇”を妬む声がないわけではありません」

 中村氏に聞くと、
「菜七子はずっと注目されてきたし、何かと風当たりは強いですね」
そう前置きしつつ、
「僕は戸崎騎手の馬を彼女に回したことはないし、3キロ軽いのはスタートの上手な菜七子には大きい。むしろ騎乗依頼する際の“売り”にさせてもらっています」
ジェラシーを撥ね退けそうなサポートなのだ。

「負けん気の強い彼女がGIに出ればJRAはさらに盛り上がります。ただ今回の斜行にしても、追うレースではもっと冷静に周りを見てペースを考えなければいけません。でないと先々、GIでは戦えない。それは言い聞かせています」(同)

 人気先行を、実力で追い込んで差せるだろうか。

「週刊新潮」2018年3月22日号 掲載