笑顔が絶えなかった。代表初招集の中島は自然体で練習に取り組んだ。「今できる精いっぱいのプレーを楽しんでできたらいい」。伸び盛りの23歳の目は輝いていた。

 実力は早くから評価されてきた。2015年アジア・カップでは練習パートナーとして日本代表に帯同。16年リオデジャネイロ五輪では背番号10を背負った。身長164センチと小柄な体を器用に使い、鋭いドリブルからシュートまで持ち込む積極性が武器。ただ、周囲との連係を重んじる国内のクラブでは独善的な動きにも映り、出番が限られてきた。

 海外挑戦がくすぶった才能を開花させた。今季からポルトガル1部のポルティモネンセに移籍。「ボールを持ったら仕掛けるのは自分の特徴。ポルトガルはそれを出しやすい環境で、自分に合っていると思った」。リーグ戦23試合で9得点と結果を残し、ハリルホジッチ監督が「爆発的なスピードを持っている選手はあまりいない」と絶賛するまでに成長した。

 W杯開幕まで3カ月を切った。今回の合宿はチームの熟成よりメンバー選考の色が強い。19日の初練習前、指揮官は円陣を組んで「いかに要求に応えられるかが選考に影響する。今は君たちのプレーに満足していない」と選手たちに競争を促した。「いいプレーを続ければW杯は近づく。自分次第」と中島は受け止めている。巡ってきたチャンスで、夢舞台への切符をつかむ。(小川寛太)

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