女子レスリング五輪4連覇中の伊調馨(33)にパワハラをしたとして内閣府に告発状が出された日本レスリング協会の栄和人強化本部長(57)。パワハラを否定し、現在は心身の衰弱により自宅療養中とされる栄氏の知られざる過去や、告発者との因縁がレスリング関係者の証言で明らかになってきた。

鹿児島県出身で高校からレスリングを始め、日本体育大学に進学した栄氏。全日本選手権では6度の優勝、1988年ソウル五輪出場も果たした。

ただ、ソウル五輪で4回戦で敗退した栄氏に待っていたのは、協会からの引退勧告という形での“パワハラ”だったという。

「このころ栄氏は、自分の引退が近いことをわかっていた。若手が力を付けてきており、協会はバルセロナ五輪では若手で挑みたかった。実際に栄氏は『次の試合負けろ』と言われたこともあるという」と栄氏をよく知るレスリング関係者は話す。

栄氏はそこで諦めず、B型肝炎を患うも驚異的な回復で現役復帰。92年バルセロナ五輪の出場権がかかる全日本選手権に出場した。そこで五輪出場権をかけて対戦した相手が、先日告発状の「B氏」が自分であると明かした安達巧氏(51)だった。

ネット上では、この試合で、栄氏は試合前にスキンケア用品を体に塗りたくり、身体を滑りやすくしていたと指摘されている。結果的には栄氏はその試合に敗れ、安達氏がバルセロナ五輪に出場するのだが、レスリング関係者は「あれは事実」と言い切った。

ただ、安達氏は夕刊フジの取材に「栄さんが嫌いという感情はない。先輩後輩の関係で、それ以上でもそれ以下でもない」と語っている。

多くの金メダリストを育て、テレビのバラエティー番組でも明るく振る舞っていた栄氏だが、勝負師ならではの“ウラの顔”も持っているのかもしれない。

ソース/夕刊フジ
https://www.zakzak.co.jp/spo/news/180314/spo1803140007-n1.html