日ハム清宮が緊急入院 「精神的に参った」と評論家が分析

 重症だった。

 体調不良を訴え12日夜に遠征先の広島から帰京していた日本ハムの清宮幸太郎(18=早実)が13日、都内の病院で精密検査。「限局性腹膜炎」と診断され、緊急入院した。

 球団によれば、清宮はここ数日間、腹部の倦怠感、鈍痛などの症状を訴えていたといい、
吉村GMは「数日前から腹部の状態が悪く、試合に出られる感じじゃなかった。しばらくの間、入院させます」と説明した。

 史上最多の高校通算111本塁打の実績を引っ提げて入団した清宮はしかし、ここまでのオープン戦は7試合に出場して19打席無安打。
ヒットすら打てず、直近の11日のDeNA戦では、4打数4三振を喫してガックリ肩を落としていた。

「周囲の大きな期待とは裏腹に結果が出ない。栗山監督は『素晴らしい経験をしている』と気遣っているものの、なかなか本人はそう思えないものです。相当、精神的に参っていたはずです」

 とは、評論家の山崎裕之氏だ。山崎氏は1965年、当時の最高額とされる契約金5000万円を提示され、埼玉の上尾高校から鳴り物入りで東京オリオンズ(現ロッテ)に入団。
大きな注目を集めた高卒1年目のシーズンを71試合に出場して打率・190、2本塁打、14打点で終えたその山崎氏が続ける。

「私はキャンプに入り、紅白戦までは『なんとかプロでやっていけそうだぞ』とむしろ自信を深めた。が、甘かった。
紅白戦の相手は身内だし、厳しい攻めもされない。オープン戦に入って他球団の一軍レベルの投手と対戦するようになってからは、
あれ? あれ? の連続で、こんなはずでは……と自信を失い、やはり、まず精神的に苦しかった。
高校通算最多本塁打をマークし、今年の球界の期待と注目を一身に背負った清宮はそれと同じだけのプレッシャーも背負い込んだ。
グラウンドでは常に報道陣とファンの好奇の目にさらされるわけですから、かなりしんどかったと思います」

■「二軍でじっくり開花させるべき」

 幼少期から「天才スラッガー」として注目を集めていたとはいえ、毎日毎日、報道陣に追い掛け回されるプロは次元が違う。キャンプ中には急性胃腸炎でダウンした。
球団OBによれば清宮はキャンプ中、「取材攻勢? そういうことも含めてプロはやっぱりレベルが違いますね」とか細い声で言っていたという。

「通算111本塁打とはいえ、高校レベルの甘い球をスタンドに運ぶ技術はあっても、高めや内角の直球にバットが出てこないのが気になっていました。
それでも一軍に置いて、一線級のプロの投手のレベルを肌で感じさせるという栗山監督の方針は理解できるものの、それもオープン戦まで。
開幕してからも特別待遇が続くようだと、間違いなく不満を抱く選手が出てくる。仲間に白い目で見られながらプレーするのは、清宮にとってもプラスではない。
清宮がずばぬけた素質を持っているのは事実ですから、二軍でじっくりその素質を開花させるというのが一番だと思う」(山崎氏)

 清宮は今後、15日まで入院し、点滴などを受けて経過観察することになった。開幕一軍は絶望的だが、こういうアクシデントでもなければ、
ファームには落とさないという栗山監督の方針は変わらなかったかもしれない。二軍でやり直すことになるのなら、腹痛入院もプラスに転じるのではないか。

日刊ゲンダイDIGITAL 2018年3月14日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/225078
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画像:開幕一軍は絶望的
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<清宮のオープン戦の成績>
プロ野球 - 北海道日本ハムファイターズ - 清宮 幸太郎 - スポーツナビ
https://baseball.yahoo.co.jp/npb/player/1700025/

>>2-5あたりに、関連スレ)