1本が出ない。

 ここまでオープン戦無安打の清宮幸太郎(18=早実)が11日のDeNA戦で4打席4三振。これで19打席連続無安打となった。六回の第3打席では、高校時代に同じ西東京で鎬を削った最大のライバル・桜井周斗(18=ドラフト5位=日大三)と対戦。高校2年秋の都大会で5打席連続三振を食らった因縁の相手に、3球三振に斬って取られた。

「状態は悪くないとは思うんですが、なかなか仕留めきれない。打ったと思ってもファウルになったり、前に飛んでくれない」

 試合後、こう言って木製バットへの戸惑いを口にした清宮。プロの変化球に腰が引けるシーンが多く、直球には差し込まれるという悪循環に陥っているようにも見える。

 が、栗山監督は4三振の赤っ恥を、「すごくいいこと」と歓迎。19打席無安打にも、「あんな感じになるのは初めてだと思う。素晴らしい経験をしている。それを感じて力にしてくれれば。中途半端なスイングよりいいと思う。内容というか、打席でのアプローチや三振の仕方も見ている」と二軍降格どころか、13日からの広島遠征にも帯同させることを決定した。

 ネット裏で視察していた他球団スコアラーに聞くと、こう言った。

「速球をミスショットしたり、変化球への対応に苦しんでいる。でも、プロの球にびっくりして全く振れなかったり、中途半端に当てにいこうとしてスイングが小さくなるようなところは見受けられない。強いスイングができているのは救い」

 球団OBが言う。

「開幕まで2週間半。1本でも安打が出れば、気持ちの面で変わってくるし、たとえオープン戦で結果を残すことができなくても、栗山監督は当初の構想通り、清宮を開幕一軍メンバーに入れるとみています。清宮は、体は元気だし、調子の問題というより木製バットへの対応や一軍投手の実力に慣れることが先決。結果を問うのは開幕してからでも遅くない。清宮と指名打者で重なる可能性のある新助っ人のアルシアがこの日、発熱と体調不良で離脱したことも、清宮を使い続けるための理由のひとつになった」

 清宮は大ケガさえしなければ、開幕一軍というのだが……。
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