女子レスリング五輪4連覇の伊調馨(33)=ALSOK=が日本レスリング協会の栄和人強化本部長(57)からパワハラを受けたとされる問題が新展開だ。内閣府は告発状に携わった田南部力(たなべ・ちから)コーチ(42)と元五輪代表のB氏、貞友義典弁護士から近く事情を聴くことが分かった。貞友弁護士らは、別の男子選手が合宿中に大けがを負ったことでも協会側の対応を問題視していたことも明かした。

 協会側は6日に非公開で開いた倫理委員会で、弁護士で構成される第三者機関に伊調と栄氏から聞き取り調査を委託することを決めた。一両日中に弁護士を選定し、2、3週間内に聞き取り調査を終える予定。

 協会の決定前から「第三者による調査」を訴えていたのが貞友弁護士だ。田南部コーチやB氏らの証言を元に告発状を作成、1月18日付で内閣府公益認定等委員会に提出した。内閣府の担当者から今月6日、田南部氏、B氏、貞友弁護士の3人から聴取したいと連絡が入ったという。

 貞友弁護士は告発状の前にも、別の問題で内閣府に質問状を送っていた。

 「昨年12月ごろ、B氏から、男子選手が合宿中に大ケガをしたが、保険に入っていないので補償されない。相談に乗ってほしいと言われた」。貞友氏が負傷した選手に面会しようと地方の病院へ足を運んだにも関わらず、協会に会うことを許されなかったという。

 「こうした疑問について調べていくうちに、協会が伊調選手に不当な扱いをしていることなど、協会のガバナンスに問題があることが分かってきた」と貞友氏。これが告発状提出につながったと強調する。

 貞友氏は「伊調に迷惑がなるべくかからないようにしたい」と告発状を1人で作成・提出しており、一連のレスリングに関する問題で、正式な依頼者はいないという。

 一方、B氏は、レスリング関係者ではない知人の紹介で弁護士と連絡を取ったと夕刊フジの取材に話している。

 伊調に対するパワハラ問題を離れ、場外乱闘の様相だが、内閣府と協会の調査で真実はどこまで明らかになるのか。

2018年3月8日 17時0分 ZAKZAK(夕刊フジ)
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