今季43歳になる上原の日本球界復帰が決定的となった。

 大リーガー約160人がフリーエージェント(FA)となった昨年11月から4カ月が経過したが、2日現在で約60人も所属先が決まっていない。

 市場停滞の要因の一つにリーグ全体の「データ重視」が挙げられる。全球場に選手を3次元的に撮影する高解像度カメラなどが設置されたことで、各球団は細かく選手を分析し、活躍の度合いなども予測する。同じ力量であれば、「年俸の高いFA選手よりも若手にチャンスを与える」流れで、40歳以上となるとなお厳しい状況だ。

 大リーグ4球団で436試合に登板して実績がある上原は、3月末まで待てばメジャー契約が届く可能性もある。ただ、すでにオープン戦が始まった。調整が遅れれば、シーズンに悪影響を及ぼすリスクも高い。

 日本の球団と契約すれば、ヤクルトに戻った青木宣親に続く大物選手の「復帰」となる。となれば、気になるのが、マーリンズからFAのイチロー(44)だ。メジャー契約優先の方針は変わっていないというが、先行きは明るくもない。外野手のFAは、イチローを含めてまだ10人ほどいる。ブルージェイズなどで通算331本塁打を放ったホセ・バティスタや、長年ロッキーズの主軸で通算215本塁打のカルロス・ゴンザレスら主力級も残っており、本格交渉が開幕前後にずれ込む可能性すらある。(遠田寛生)

2018年3月3日18時57分
朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASL3342FFL33UTQP010.html