関係者は「1人だけレベルが違う演技」

映画に詳しい方なら「またか」と呟くだろう。3月2日に受賞式が行われる日本アカデミー賞だが、過去に何度も投票の公正性が問題視されてきた。例えば樹木希林(75)は豪快に、北野武監督(71)は怒りを込めて批判を行っている。

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 今回、“組織票”疑惑が関係者の間で指摘されているのは、助演女優賞候補の北川景子(31)だという。

 日本アカデミー賞は「ノミネート」という表現を使わないようだ。候補者を「優秀賞」と発表し、本番の受賞式で「最優秀賞」を与える。「優秀助演女優賞」の顔ぶれは以下の通りだ。

【優秀助演女優賞】
尾野真千子(36)「ナミヤ雑貨店の奇蹟」(廣木隆一監督/松竹・KADOKAWA)
夏川結衣(49)「家族はつらいよ2」(山田洋次監督/松竹)
広瀬すず(19)「三度目の殺人」(是枝裕和監督/東宝・ギャガ)
薬師丸ひろ子(53)「8年越しの花嫁 奇跡の実話」(瀬々敬久監督/松竹)
北川景子(31)「探偵はBARにいる3」(吉田照幸監督/東映)

 この5人の中で、なぜ北川景子だけが疑問視されているのか、映画担当の新聞記者が解説する。

「映画が本当に好きで、5本の作品を全部見た人なら分かります。北川さんが他の4人と比べて劣っているのは明らかです。北川さんの演技がひどいという話ではありません。『探偵はBARにいる3』を鑑賞すれば、北川さんの演技に感動して当然です。ご本人は一生懸命に演じておられます。しかし賞とは、役者さんや作品に優劣を競わせるという、非常に残酷なものです。そして助演女優賞に値するか否かという厳しい視点で見れば、尾野さん、夏川さん、広瀬さん、薬師丸さん4人の演技と、北川さんの演技は、やはりレベルが違うのが現実なんです」

正しい投票とは何か

 記者氏によると、日本アカデミー賞は「テレビドラマの映画化作品を冷遇する」という傾向があるという。それで割りを食う役者が出てしまう。

「テレビドラマ『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』(フジテレビ系)を映画化した『昼顔』(西谷弘監督/東宝)は上戸彩さん(32)が主演ですが、助演女優の伊藤歩さん(37)の鬼気迫る演技が高く評価されたのは、映画のファンならご存じだと思います。ところが今回、優秀助演女優賞には選ばれていません。テレビ冷遇が原因としか考えられず、こうした謎の不文律が存在することも、日本アカデミー賞の公正性が疑問視される理由の1つでしょう」(同・記者)

 当たり前だが、北川景子に賞を取らせようと、買収の現ナマが飛び交ったという話ではない。後で詳しく触れるが、「探偵はBARにいる3」を製作した東映の社員にも、アカデミー賞の投票権を持つ者が存在する。たとえ自社の映画でも「最も優れた演技だ」と自信を持って北川景子に1票を入れたなら正しい投票行動だ。

 しかし「我が社の作品を社員として応援しよう」、「現場で北川さんは頑張っていたそうだから、賞を取ってほしい」という気持ちは一種の善意ではあっても、やはり正しい投票とは言えない。映画会社の社員に投票権を与えているのが、そもそもおかしな話なのだ。

つづく

3/1(木) 6:00配信  全文
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180301-00538715-shincho-ent

写真
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