日本側は、ジャマイカ側に契約不履行による損害賠償請求も辞さないとの考えを示したという
。数年前からテレビや書籍化され、下町的美談で有名なプロジェクトだったのでとても驚いた。

 しかしこの「不採用」は、マスメディアよりもネットを中心に大きく炎上した。
ネットでの大半の意見は、補助金を使って性能の悪いボブスレーを作っておきながら、
ほごにされるや違約金請求するなどと日本の恥さらしだという類であった。
さらには気にさわったらしく、同プロジェクトスタッフの個人攻撃にまで事は広がった。

 私はこの炎上にとても気味の悪さを感じた。

 ハッキリ言ってフィギュアスケートと比べたら、競技そのものや、ジャマイカの選手、ボブスレーの性能に興味のある方は少数のはずだ。
言葉は悪いが、騒ぐほどの話題性があるとはどうしても思えないのである。
国際ビジネスにありがちなトラブルで残念でしたね…で読み飛ばすようなマイナーな話題なのだ。

経緯や本質よりも、こういう「美談の破綻」が、今の日本人は大好きなのだと感じた。

そして違約金を請求するという部分が、日本人の大好きな「潔さ」がないと、火に油を注いだということだろう。

 「違約金」の部分を発表しなければ、ここまでの炎上騒ぎにはならなかったかもしれない。
だがプロジェクト側としても混乱の中、マスメディアにオープンに対応したのだろう。被害者でもあるのだから、それで当たり前である。

 しかしネット力学というのは、得てして既存のマスメディア方程式が通じないことが多い。そこまで想定しての対応が必要な時代なのだろう。

https://www.zakzak.co.jp/ent/news/180228/ent1802285727-n1.html
https://www.zakzak.co.jp/ent/news/180228/ent1802285727-n2.html