銀メダルを取ったのに、気持ちを聞かれると「申し訳ありません」の一言だけだった。
平昌冬季五輪のスピードスケート女子団体追い抜きで最後尾のメンバーを置き去りにしたとして
激しい非難を受けたキム・ボルムは、24日の女子マススタート決勝で日本の高木菜那(8分32秒87)に次いで
2位(8分32秒99)に入った。

レース中盤まで後方につけていたが、10周目から徐々にスピードを上げ、15周目で3番手に上がった。
最後の16周目には得意のラストスパートで2番手のオランダ人選手をかわした。

キム・ボルムは、パク・チウが準決勝で敗退したため韓国勢としては1人で決勝に臨んだ。
外国人選手の後ろにぴたりと付いて空気抵抗を最小限に抑える作戦で力を温存した。

レース後、キム・ボルムは涙を流した。五輪で初メダルを手にした喜びの涙ではなかった。表彰式でも笑顔はなかった。
19日の女子団体追い抜き準々決勝で、レース終盤に遅れ始めた最後尾の盧善英(ノ・ソンヨン)を置き去りにし、
パク・チウと2人で先にゴールしてしまったことで、世論の厳しい非難にさらされたからだ。

キム・ボルムは20日に記者会見を開いて謝罪したが、インターネットのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)
で激しい個人攻撃を受けた。韓国大統領府(青瓦台)のウェブサイトでは「キム・ボルムの国家代表資格を剥奪せよ」という
請願に対し60万人以上が賛同した。

精神的なダメージを受けたキム・ボルムはマススタートのレースまで食事もまともに食べられなかったという。
仏教徒であるキム・ボルムが僧侶に慰められたとのニュースが伝えられると、今度は「仏教信者の評判を汚す」などと中傷された。

キム・ボルムはマススタートのレース終了後、太極旗(韓国国旗)を広げるとリンクに膝と手を付いて
観客席に向かって深く頭を下げ(クンジョル=最も丁寧な韓国式のお辞儀)、再び謝罪の意を示した。
表彰式後の共同取材エリアでもうなだれたまま「国民の皆さんに申し訳ない気持ちで深く頭を下げた」と力なく話した。
取材陣からさまざまな質問が飛んだが「今思い浮かぶのは、申し訳ないという言葉しかない。本当にごめんなさい」と繰り返した。

所属会社の関係者はキム・ボルムについて「精神的な安定のために3〜4月まではワールドカップのファイナルや
世界選手権などの国際大会には出場せず、休養する予定」と説明した。

http://news.livedoor.com/article/detail/14352868/
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