【平昌(ピョンチャン)・神足俊輔】「平和の祭典」を強調した大会が、幕を閉じた。平昌冬季五輪は25日、平昌五輪スタジアムで閉会式があり、全日程が終了した。北朝鮮の参加で政治的な色合いを濃くした17日間は今後、混迷する東アジア情勢にどんな影響を与えるのか。平和を願うバトンは、くしくも東アジアで開かれる2020年夏季東京大会、22年冬季北京大会に引き継がれる。

 今大会、日本は24日に行われたスピードスケート女子マススタート・高木菜那(25)=日本電産サンキョー=の金、カーリング女子・日本代表のLS北見の銅を合わせ、冬季五輪史上最多の13個のメダル(金4、銀5、銅4)を獲得した。

 92カ国・地域などから2900人超の選手が集まった大会の閉会式は、午後8時に始まり、日本は130人が参加した。旗手は金メダルを獲得したスピードスケートの小平奈緒(31)=相沢病院。同じく金メダリストのフィギュアスケートの羽生結弦(23)=ANA、スピードスケートの高木美帆(23)=日体大助手=らが手を振りながら姿を見せた。

 韓国と北朝鮮はそれぞれの国旗に加え、開会式と同様、朝鮮半島を記した「統一旗」を使用した。北朝鮮は大会に金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹、与正(ヨジョン)氏らを派遣して南北融和を演出。「五輪の政治的利用」との批判も上がったが、懸念された混乱はなかった。

 大会中は強風でスノーボード選手らが相次いで転倒するなど、気象条件への考慮を欠く運営が問題視された。多額の放映権料を支払った欧米の時間に合わせて競技が深夜に及び、「アスリートファースト」の観点から、東京五輪につながる課題が浮き彫りになった。


2/25(日) 21:04配信 毎日新聞
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