プロ野球東北楽天を運営する楽天野球団(仙台市)の2017年度決算(12月期)の営業損益が黒字となったことが18日、分かった。日本一など特別な要因がなかった年度に黒字を達成したのは、球団経営1年目の05年度以来初めて。観客増で球団創設当時から売り上げを2倍近くに伸ばし、球場改修費などを償却しても黒字を計上した。

 球団への取材によると、17年度の総売り上げは138億円。スタンド増設などの積極投資が奏功し、主催試合で過去最高の年間177万人を動員した。
入場料、スポンサー、グッズ、球場内飲食など各分野の売り上げも伸ばした。総売り上げから、球場などの減価償却費約10億円を含む総支出を差し引いて1億円の利益があった。
 過去には05、13、14年度に黒字を達成している。ただ、05年度は球場改修などの減価償却費がほとんど計上されず、13年度はクライマックスシリーズと日本シリーズ進出によるホーム戦の増加、14年度は田中将大投手(現米大リーグ、ヤンキース)のポスティング移籍による追加収入(約20億円)があった。
 プロ野球では楽天野球団が近鉄消滅を受けて誕生した頃、親会社から年間数十億円もの赤字補填(ほてん)を受ける球団もあるとされた。楽天野球団の親会社、楽天(東京)の支出は広告費などで年間5億円程度にとどまるとみられ、目標に掲げてきた健全経営を13年目で実現したことになる。
 立花陽三球団社長は「(12球団本拠地では比較的規模が小さい)100万都市の仙台でもプロ野球球団の健全経営ができることを示せた。今後もチームの強化とファンサービスに努め、さらに一段階上の経営規模を目指したい」と話した。

http://sp.kahoku.co.jp/tohokunews/201802/20180219_14044.html