こんなもんかとか言ってたら…

マスターズインタビュー(下町ボブスレープロジェクト推進委員会 細貝淳一ゼネラルマネージャー)第6回2017年5月15日〜19日OA
http://www.joqr.co.jp/nmt/special/2017/05/6201751519oa.php

生まれ育った町工場の街の魅力とは

中学校卒業後から働き始めた細貝社長。様々な仕事を転々とする中で、人とのコミュニケーションをとることに向いているのかもしれないと気づかされる。
そんな折に、素材を扱う町工場の社長からスカウトされる。

町工場で目の当たりにしたのは「100円の素材を加工により10万円にする」技術。これぞ、日本が誇る大田区の町工場の力。しかし、彼がこの地に根を
下ろしたのはそれだけではない。今ではなくなりつつある「人と人とのつながり」に魅せられたからだ。今、彼が手にしている一流の加工技術は、近隣の
おせっかいなおじちゃん、おばちゃんから直接教わったもの。これが彼の原点なのである。

しかし現在は、情報漏洩の観点からこうした人と人との繋がりは希薄になってしまった。そこに「1つの目標があれば、こうした集いがまたできるのではないか?
さらに自分たちをアピールするために、オリンピックの道具、それも自分たちには技術がない炭素繊維の分野だったら一つの目標として面白いのでは」と考え、
そこから「日本企業が進出していない分野で」と考えボブスレーの道へ。

大田区産業振興協会の職員が、「炭素繊維でオリンピック目指したい」と言っていたら持ってきてくれた。しかし、ボブスレーの知識は完全にゼロ。そこで仙台
大学からメンテナンスをすることを前提にソリを借りて来て分解。中を見ての感想は「こんなもんか」。

それを参考に、とりあえず試しに1台作ることに。それがメディアに注目され、それをみた北海道の選手が「私たちに作ってほしい」と名乗り出るなど、嬉しい連鎖
が生まれた。俄然やる気になった細貝社長。その後、若手の経営者を呼んで、テーブルの上に図面を広げて、「好きな図面を持って言ってくれ!」と呼びかけて
チームが編成。プロジェクトがスタートした。