マクラーレンは30日(火)、フェルナンド・アロンソがトヨタのWECチームの一員としてル・マン24時間レースを含む
2018年のWEC(世界耐久選手権)に出走することを正式に発表した。

F1モナコGP、インディ500マイルレース、そしてル・マン24時間レースのいわゆる世界3大自動車レースすべてで
優勝することを目標に掲げているアロンソだが、その一環としてトヨタから6月に開催されるル・マン24時間レースに
出走するのではないかとうわさされていた。

あくまでもF1に集中して欲しいとの希望を持つマクラーレンとしては、アロンソの意向に難色を示していると
伝えられていたが、なんとル・マン24時間レースだけでなく、F1と開催日がバッティングしないWECレースに
アロンソが出走することを認めたことが明らかとなった。

この結果、アロンソはF1アメリカGP(10月21日決勝)と開催日が重なる富士スピードウエイでのWEC第4戦
日本ラウンドを除くすべてのWECレースにF1とかけもちで出走することになると見られている。

少し前に、自分はレースが好きだから毎週末レースをすることが望みだと語っていたアロンソだが、仮に
日本ラウンドを除くWEC全レースとF1レースをかけもちすることになれば、6月の第2週に開催されるF1カナダGP
(6月10日決勝)を皮切りに、同16日から17日に行われるル・マン24時間、24日に決勝が行われるF1フランスGP、
7月1日に決勝が行われるF1オーストリアGP、7月8日に決勝が予定されているF1イギリスGPまでなんと5週連続で
レースに臨むというまれに見る過酷なスケジュールに挑戦することになる。

今回の決定について、マクラーレンを率いるザック・ブラウン(エグゼクティブディレクター)とアロンソはそれぞれ
次のようにコメントしている。

■ザック・ブラウン(マクラーレン/エグゼクティブディレクター)

「フェルナンドがル・マン24時間に出走することを望んでいたことは誰もが知っていたことだ。そして、我々の組織にいる
誰もがフェルナンドのようなやる気に満ち、ハングリーで、世界レベルのドライバーはどのF1チームにとっても恐ろしいほどの
財産であると評価していると思っている」

「昨年、我々はフェルナンドがモナコGPではなくインディ500に参戦するという合意に達していた。だが、我々は常に
そうしたことはケース・バイ・ケースで考えることになると言ってきた。そして2018年に関しても、我々にとってもっとも
優先すべきはF1での成功だということはお互いに理解している」

「フェルナンド同様、我々マクラーレンの者たちもレーサーの心を持っている。そして我々のチームはこのスポーツにおいて
異なる形で戦い、成功を収めるという勇敢な伝統のもとに築き上げられてきている。同様に、重要なことは我々の第一の
目標がF1であることを損なうようなことはないという自信があることだ。適切な評価を行った後、我々はこのキャンペーンが
そうしたことにはつながらず、マクラーレンにとって最大の利益が損なわれることはないという考えに至ったものだ」

■フェルナンド・アロンソ

「僕はこれまでモナコGP、インディ500、そしてル・マン24時間で3冠を達成したいという目標を持っていることをはっきりと
意志表示してきていた。昨年はインディに挑戦して、惜しいところまでいったものの、手が届かなかった」

「今年はマクラーレンのおかげでル・マンでの勝利に向けて戦うチャンスを得ることができる。大きな挑戦だし、うまくいかない
可能性も大きいだろう。だけど、僕はやる気に満ちているし、戦うことを楽しみにしている」

「僕がWECでレースができることになったのは、マクラーレンとの強い関係と深い理解があったことに尽きる。僕はこれが
僕にとってどういう意味を持つものなのかということについて彼らが耳を傾けてくれ、理解してくれたことを本当にうれしく
思っているよ」

「この挑戦によって主たる目標であるマクラーレンでのF1活動に支障をきたすことはありえないよ。2018年の僕の目標は
すべてのグランプリに出走することだし、僕たちはそれを達成できるところに近づいていると確信しているよ」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180130-00000011-fliv-moto