>>1続き

 まさに、「完全なる異能バトルと化したスポ根漫画」だ。ファンは本作を、「『テニプリの』キャラクターがファンタジーの世界にやってきた」物語ではないか、と受け取ったのである。

実際、主人公の通う「陽帝学園」は、テニプリの「氷帝学園」をもじったような名前だし、必殺技の演出や選手たちの異名も、テニプリを思わせる部分が少なくない。
またファンの中には、主要人物の造形や、挿絵や表紙でのキャラの絵柄、デザインが、テニプリのそれを思わせる、と指摘する人もあった。

作者の望さんは1月14日のツイッターで、

「局所的に話題沸騰中の『異世界テニス無双』ですが、この作品はとあるテニス漫画から多大なインスパイアを受けています。
週刊少年ジャンプで連載していた、超有名テニス漫画です。みんな、察してるよね?
そう......『テニスボーイ』です!
1970年台に連載してた、名作テニス漫画です」(原文ママ)
とジョークまじりに発言していたが(すでに削除)、ファンからはこの発言も反感を買った。

■ 孫正義氏へ「直訴」する人まで

「テニスの王子様」は女性を中心に、熱心なファンが多い漫画として知られる。毎年バレンタインデーには、キャラ宛てのチョコレートが合計10万個以上も届くことは有名だ。

読者からは「個人的にはメチャクチャ面白かったし、続きが読みたい」といった好評もあったが、テニプリファンなどからは、パロディーの域を超えているとして、
「元の作品からキャラクターの名前を変えて自分のキャラクターにしないでください」
などという声が殺到、中にはソフトバンクグループの長・孫正義氏にツイッター上で「直訴」する人まで出た。

結局、SBクリエイティブは1月26日、

「他の作品との類似のご指摘を含め、多くのご意見をいただいております。読者の皆様、関係者の皆様にご不快な思いをさせてしまいましたこと、ご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます」
とするコメントを発表、また合わせて予定されていた2巻以降の刊行も打ち切るとした。
J-CASTニュースは29日、詳しい話を聞こうと問い合わせたものの、「リリース以上のことはコメントできない」との回答だった。