「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」が米映画レビューサイト「ロッテン・トマト」で予想外の観客評価を受け、業界を騒然とさせている。

英語のレビューサイトとして最大級の知名度を誇る「ロッテン・トマト」は、一本の映画に対し、マスメディアに掲載された批評家によるレビューと、ユーザーが投稿する観客レビューをそれぞれ集計し、肯定的なレビューの割合を作品の点数として表示するサイトだ。12月25日現在、「最後のジェダイ」は批評家スコアが92%であるのに対し、観客スコアは52%と大差が生じている。

「最後のジェダイ」は、調査会社「シネマスコア」による観客満足度アンケートではAをマークし、その他の観客の反応を示すサイトでも賞賛の声が目立つ。それがなぜ、「ロッテン・トマト」でこれほど凡庸な評価なのか。

「ロッテン・トマト」の広報担当で、運営会社Fandangoのコミュニケーション部長のダナ・ベンソンは、同サイトの観客スコアは正当な数字であると主張する。

「セキュリティ、ネットワーク、データベースそれぞれの専門家チームが常時レビューや点数をモニターしているが、『最後のジェダイ』に関して特に変わった動きはない。ユーザーレビューの投稿数は多いものの、他の超大作も同じような傾向がある」

確かに「スター・ウォーズ」シリーズのような注目作は、観客によるネットへの書き込みが多くなるのは当然だ。「ロッテン・トマト」の「最後のジェダイ」観客レビューの投稿数は、シリーズ前作「フォースの覚醒」のそれとほとんど変わらないとベンソンは言う。

しかし、批評家や識者の中には、観客スコアが不当に操作されていると考える者もいる。
ニュースサイト「Quartz」を含む複数のメディアは、フェイスブックページ「Down With Disney’s Treatment of Franchises and its Fanboys」(フランチャイズ映画とそのファンを不当に扱うディズニーを打倒せよ)を管理する匿名の人物が、ボットを使って複数のフェイクアカウントを作成し、大量の否定的なレビューを投稿した可能性を報じた。

◆ 興行成績は好調、北米で250億円

ベンソンはその噂も一蹴する。ベンソンによれば、「ロッテン・トマト」は20年近くにわたって、数字や印象を操作しようとする試みを阻止してきた実績がある。一方で、批評家スコアと観客スコアの差が開いた理由についてはわからないと言う。

シリーズ全体を見渡しても、今回ほどのギャップのある作品は他にない。「フォースの覚醒」は批評家スコアが93%、観客スコアが88%だった。差が最大だった作品でも14ポイントだ(「ジェダイの帰還」批評家80%、観客94%、「シスの復讐」批評家79%、観客65%)。

「はっきりしているのは、この映画のファンは非常に熱心だということ。ポジティブな側面に目を向けると、我々のサイトの人気が高いために、ファンにとって重要な議論の場になっているとも言える」とベンソンは言う。

ベンソンはまた、「最後のジェダイ」に関して賛否が分かれているレビューサイトは他にもあると指摘。さらに「数値の正当さを見極めるために、スタッフは日夜働いている。我々にとって、数字が本物であることは非常に重要。不正を疑う声があることは残念だ」と結んだ。

熱心なファンの評価はどうあれ、今のところ観客レビューが興行成績に悪影響をもたらすことはないようだ。ライアン・ジョンソン監督による「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」は米国史上2位の週末興行収入を記録し、北米で2億2000万ドル(約249億円)、海外で2億3100万ドル(約262億円)をかき集めている。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180102-00019178-forbes-ent&;p=2