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 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会の1次リーグの組み合わせが1日(日本時間2日)決まった。出場32カ国中、31番目に組み合わせが決まった韓国と、最後の32番目に決まった日本は明暗が分かれた。

 韓国が入ったF組は優勝4度のドイツ、北中米・カリブ界の雄・メキシコに、欧州プレーオフをしぶとく勝ち上がったスウェーデンが入った。アジア最終予選で苦戦した韓国にとっては、厳しい組に入ったと言わざるを得ない。スウェーデンとの初戦の重要性が極めて大きい。ここで勝利を挙げられなければ、1次リーグ突破の道筋は見えてこないだろう。

 一方、日本のほか、ポーランド、セネガル、コロンビアが入ったH組は、8組中唯一、優勝経験国がない。

 W杯には暗黙の「格」のようなものが存在する。例えば、それは優勝経験国しか持たないオーラのようなものだ。その意味では、FIFAランクはあくまで目安にすぎず、その順位だけで語るのはあまりに表面的ともいえる。その意味で、3カ国とも日本よりランクは上だが、悲観的になる必要はない組み合わせといえる。

 全体を見渡すと、強豪と呼ばれるチームが適度にばらけた。「死の組」と呼べる組は見当たらない。

 欧州予選で敗退したイタリアを除く優勝経験国7チームが同じ組に入ることはなかった。4年前のブラジル大会でベスト8に入ったチームが同じ組に入ったケースは、ブラジルとコスタリカが入ったE組だけだ。

 予断を許さないのはF組のほか、D、E組だ。

 D組は多彩な顔ぶれがそろった。メッシ擁するシード国のアルゼンチンは南米予選で苦しんだ。アイスランドは結束力が高く、勝負を諦めない強いメンタリティーを持つ。そこに試合巧者で相手の持ち味を消すことがうまいクロアチア、高い身体能力を残るナイジェリアが入った。アルゼンチンも気が抜けないだろう。

 E組はブラジルの力が抜けているが、あとの3チームはどこが勝ち上がっても不思議はない。ブラジルが万が一、取りこぼして、この組で2位突破するようなことになると、決勝トーナメント1回戦でいきなりドイツと対戦することになりかねない。

 開催国ロシアは組み合わせに恵まれた。ホスト国の勝ち上がりは大会の盛り上がりには不可欠。まるでサッカーの女神が「どうぞ決勝トーナメントへ」とささやいているように見える。(潮智史)