姉ダコタの幼少期を演じた映画『アイ・アム・サム』(2001年)で映画デビューしたエル・ファニング。キャリアの初期こそ、“ダコタの妹”と呼ばれていた彼女ですが、ダコタより10cm以上も背が高い長身とイノセントなルックスで、瞬く間に世代を代表するファッション・アイコンとなりました。

キャリア面でも躍進し、いまやJ・J・エイブラムスやソフィア・コッポラといった人気監督の作品に次々と出演する売れっ子女優です。筆者は『SUPER8/スーパーエイト』、『幸せへのキセキ』に出演した後の、まさにブレイク直前のエルへの取材機会を得ましたが、どのような質問でも本音で答えてくれる、屈託のない笑顔が印象に残っています。ここでは、エルを取材した際のこぼれ話を交えつつ、彼女のおしゃれ魂と卓越した演技力が存分に堪能出来る新作映画3本をご紹介します!

◆ パンク宇宙人のロミオとジュリエット!『パーティで女の子に話しかけるには』

『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』(2001年)で鮮烈な印象を残したジョン・キャメロン・ミッチェル監督の最新作『パーティで女の子に話しかけるには』。舞台は1977年、ロンドンの郊外。内気なパンク少年エンと遠い惑星からやって来た美少女ザン、2人の48時間の恋の逃避行を描いた胸キュンなラブ・ストーリーです。

ファッション面では、アカデミー賞に3度も輝く衣装デザイナー、サンディ・パウエルが独自のセンスで70年代のロンドン・パンクを表現しています。グレンチェックのツイードコートとスタッズ付きチョーカーを合わせた大人パンク、異素材ミックスなど、今冬に取り入れたい着こなしのヒントが満載。レイヤ姫風のおだんごやパンク要素を取り入れた二つ編みアレンジなど、エルの小粋なヘアスタイルも必見です!

美しい髪を保つ秘訣を聞いた際、“ケラスターゼのシャンプーとコンディショナーを使い、ドライヤーを使わず自然に乾かしている”と答えてくれたエル。思わず触りたくなる美髪には、彼女流の秘策があったようです。

◆ ほぼ“すっぴん”&短く刈り込んだ髪で熱演!『アバウト・レイ 16歳の決断』

映画『アバウト・レイ 16歳の決断』は、身も心も男の子として生きたいと決断した主人公・レイをめぐる家族のドラマを描いた感動作です。最旬女優エル・ファニングがトランスジェンダーという難役に挑み、アカデミー賞に2度のノミネートを誇るナオミ・ワッツがレイの恋多き母親、名優スーザン・サランドンが破天荒なレズビアンの祖母を熱演しているとあって、日本の映画ファンの間で長く公開が待たれていた作品です。

ほぼすっぴんと、短く刈り込んだ髪で、身も心もレイに成り切ったエルの演技力はさすが! 若いエルのすっぴんが美しいのは当たり前と思いきや、彼女は肌が弱いことが悩み。ビバリーヒルズの皮膚科医ドクター・ランサーが開発したクレンザーで洗顔し、モイスチャライザーで肌を潤すというシンプルなお手入れを心掛けているとか。

ファッション面では、グレーやカーキなどの渋めの色のアウターをチョイスし、赤のニットキャップや黄色のゴツめなブーツを差し色に使って、メリハリのあるマニッシュなコーデを披露しています。