11月16日、今年の年末に放送される『第68回NHK紅白歌合戦』の出場歌手が発表された。そうそうたるアーティスト名が並ぶなか、今回初出場を果たしたのは10組だ。活動の節目に悲願の初出場となったアーティストもいれば、これまであまり馴染みのない名前もあるだろう。とはいえ、CMやドラマで彼らの楽曲が使用されることも多く、実は「聴いたこと、見たことある!」アーティストも多いはず。今年の年末を彩るフレッシュかつ話題性抜群の初登場組に迫りたい。

◆『ドコモの学割』でCM出演も果たしたSHISHAMO

 昨年から2019年までの4ヵ年は、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、「夢を歌おう」を共通テーマに掲げている『NHK紅白歌合戦』。特に今年は「視聴者の皆様の夢を応援し、明るい気持ちで新年を迎えられるように」(番組制作陣)という思いのもと、出場者が決定。紅組4組、白組6組の初出場組も、エネルギッシュで瑞々しいアーティストや歌手たちがそろった。

 まずは神奈川県川崎市出身の平均年齢22歳の3人組ガールズバンド、SHISHAMO(シシャモ)。ギター&ボーカルの宮崎朝子、ベースの松岡彩、ドラムの吉川美冴貴というメンバー構成だ。2010年、高校の軽音楽部でバンドを結成し、13年11月にデビュー。今年1月、堤真一と綾野剛が出演するNTTドコモ『ドコモの学割』のCMソングに自身の楽曲「明日も」が起用されるとともに、メンバーも演奏シーンでCM初出演。また、新垣結衣・瑛太主演の映画『ミックス。』への書き下ろし主題歌「ほら、笑ってる」を10月にシングルリリースするなど、2017年は、文字通り「今までSHISHAMOを知らなかった人に知ってもらうきっかけが多かった年」となった。

◆WANIMAは『タウンワーク』CMで松本人志と共演

 同様に、メディアへの露出拡大で一躍全国区となったのが、熊本県出身の3人組バンド・WANIMA(ワニマ)である。童謡「ピクニック」をロックサウンドにアレンジして歌った「やってみよう」が、『au 2017年三太郎シリーズ』のCMでオンエアされ、注目を集めるように。さらに、『タウンワーク』のCMに出演し、ダウンタウンの松本人志と共演。自身のオリジナル曲「ララバイ」をバンドメンバーとして一緒に演奏するというシーンで反響を呼んだ。また、浅野忠信と神木隆之介が出演する、現在放映中のフジテレビ系連続ドラマ『刑事ゆがみ』では、主題歌「ヒューマン」を手がけている。

◆誰もが一度は聴いた「よー、そこの若いの」

 竹原ピストルは、2003年に弾き語りデュオ・野狐禅(やこぜん)としてメジャーデビューし、2009年にデュオを解散すると同時にソロへ。2015年に発表したアルバム『youth』の収録曲「よー、そこの若いの」が今年、瑛太が出演する住友生命『1UP』のCMソングに起用され、ロングヒット。また、俳優としても高く評価され、2016年公開映画『永い言い訳』で『第40回日本アカデミー賞』の優秀助演男優賞を受賞。最近では、サントリーコーヒー『プライドオブボス』のCMにも出演している。年間約300本ペースでライブを行ってきた実績に加えて、幅広い活動が認知され、まさに飛躍の年となった。

◆『陸王』の劇中歌「Jupiter」が話題となったリトグリ

 デビュー前の結成当初から「紅白を夢見ていた」というのは、メンバー5人全員が10代の女性ボーカルグループ、“リトグリ”ことLittle Glee Monster(リトル・グリー・モンスター)。美しいハーモニーと卓越したボーカル力を駆使したライブパフォーマンスには定評があり、今年1月に行った初の日本武道館公演のチケットは発売開始1分で完売、1万3千人を動員して大成功を収めた。また、アース・ウインド&ファイアーやアリアナ・グランデの日本公演でサポートアクトを務めるなど、大物アーティストとも共演。現在放映中の
TBS系連続ドラマ『陸王』の劇中歌「Jupiter」を歌っていることでも話題となり、ファン層をさらに広げている。

◆“TTポーズ”が女子中高生に大人気、6年ぶりのK-POP

 TWICEは、韓国、台湾、日本出身の9人からなるガールズグループで、今年6月に日本デビュー。それ以前から、代表曲「TT」の振り付けで登場する、指で泣き顔の絵文字「(T_T)」のような形を作る“TTポーズ”が女子中高生を中心に大ブームとなり、日本のアイドルやモデルたちも続々とTTポーズの写真をSNSに投稿。10月に発売した日本での1stシングル「One More Time」はオリコン週間ランキングで堂々の1位を獲得した。普段は韓国を拠点に活動しているだけに「私たちの姿を日本でたくさんの方に見ていただくのが楽しみ」と本人たち。K-POPアーティストでは、2011年の東方神起、少女時代、KARA以来、6年ぶりの紅白出場となる。



https://www.oricon.co.jp/news/2100868/full/