さらに、番組があまりにも長く続いたことで、途中から見る人にとっては敷居が高い番組になってしまった、という問題も出てきた。
「めちゃイケ」には、独自の歴史があり、独自の演出があり、メンバーそれぞれが別々のキャラクターを背負っている。
しかし、いまや、「スッキリ」で朝の顔となった加藤浩次や、アラフォー女性芸人の代表として数々の番組に出演する大久保佳代子をはじめとして、
個々のメンバーが別の番組でも自分の持ち味を出して活躍するようになってきた。

新しく入ってくる視聴者が少なく、長年見てきた人にも見放されつつある。
ここ数年は視聴率1ケタが続いていて、終了は時間の問題だといわれていた。

最近の「めちゃイケ」でも象徴的なシーンがあった。11月11日放送回で、岡村がメンバーに番組終了を告げて回るという企画が行われた。
そこで、メンバーの1人である鈴木紗理奈が「めちゃイケ」を見ていないことが判明したのだ。総監督の片岡が鈴木を問い詰めると、彼女は慌てて弁明した。

「すいません、テレビを本当に見ないんです」「テレビがいちばん面白いゴールデンタイムといわれる時間は、私、いちばん忙しいんです。
晩ご飯、宿題しなさい、で、寝る、で、8時にベッド入れて、こうでああで、いちばん私が私じゃない時間なんです」

そう言い訳をする鈴木の下には「『めちゃイケ』が終了する社会的背景。」というテロップが出ていた。
「めちゃイケ」はいまや視聴者だけではなく、当の出演者自身からも見限られていたというのだから、なんとも皮肉な話である。

番組内では半年後の終了に向けて「めちゃイケ シュウ活(MSK)プロジェクト」という新しい企画が立ち上げられることが宣言された。
これは、番組の終了までにメンバーがやりたいことを全力でやりきる、というもの。
最後まで新しい企画にこだわり、攻めの姿勢を貫くところはさすがだ。この番組らしい美しいエンディングを迎えることを期待したい。