阪神の四藤慶一郎球団社長(57)は12日、秋季キャンプ地の安芸で取材に応じ、国内FA権の
行使を明言した大和内野手(30)に対して、宣言後に基本条件の見直しなどを含めた再交渉は
行わない方針を語った。前回交渉時に「誠心誠意を尽くして交渉に当たった」と同社長。今後は
実務担当者レベルでの打ち合わせを継続させながら、“天命”を待つ。

 チームに残ってほしい思いが強いからこそ、条件の見直しは行わない。宣言後に再交渉を
行うかの問いに、四藤球団社長は「考えていないです。誠心誠意、思いは伝えましたので。
条件的にも最大限の評価はしている」と語った。

 FA申請を前に四藤球団社長、谷本新球団本部長らが交渉の席に入り、残留への思いを伝えた。
その際に4年契約、年俸もアップという条件を提示した。宣言後、条件を見直す可能性もあったが、
四藤社長は否定的な見解を示した。「誠心誠意」という言葉に、球団の本気度がにじみでている。

 他球団の交渉を踏まえた上で再提示を行うことは、自軍の選手に対し、評価を低く見積もっていたと
捉えられても不思議ではない。絶対に欠いてはならない戦力と判断したからこそ、宣言前に当初の
3年契約から、次回FA権を再取得するまでの4年へと条件を見直し、大和に提示した。

 過去、阪神でFA権を取得した選手の中でも数少ない長期契約。同社長が語る「最大限の評価」は
その部分に表れている。8日にFA申請を行った際、大和は「移籍を前提とした権利の行使ではなく、
タイガースも含めて自分を一番、必要としてくれる球団で来季、プレーしたいと思います」と
語っていた。

 確実にその思いは届いているからこそ、大和自身の中で消えていない宣言残留の可能性。
付帯条件の微調整や球団本部担当者との打ち合わせは今後も継続していく方針で「あとは他球団の評価が
どうなるか。今は動向を見守るしかない。いつまでも待ちます」と四藤社長は語った。

 すでに人事は尽くした。残ってほしい思いも有り余すところなく伝えた。大和自身がどう判断するか−。
宣言残留という“天命”を球団は望み、待ち続ける。

デイリースポーツ
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