経営再建中の東芝が本業との関連性が薄い資産の売却や企業活動の見直しを加速させている。

10月31日に東芝病院(東京都品川区)の売却で医療法人と合意したほか、約48年間続けている国民的アニメ「サザエさん」の番組スポンサー降板の検討も始めた。

伝統と実績のあるスポーツに関しても、主力取引銀行幹部は「歴史があり強いが、ラグビーや野球を含めゼロベースで見直し対象になるのではないか」と指摘した。

 ラグビー部は1948年創部で日本選手権6回優勝、野球部は58年創部で都市対抗大会7回優勝の名門チームだ。東芝はラグビーと野球で既に17年度の後援会員の募集を休止しており、18年度の再開も未定という。経営危機の影響はスポーツにも広がりつつある。

 45年開設の東芝病院は来年3月に売却予定。サザエさんも69年の放送開始からCMを提供してきたが、広告代理店などと降板をめぐる協議を始めた。東芝はサザエさんのスポンサー契約や、ラグビーと野球の活動について、企業イメージへの影響を考慮しながら最終判断する方針。

 2015年に不正会計で経営が悪化した際はリストラを免れたサザエさんのCMやスポーツ活動も今回は「聖域」扱いが許されない状況だ。

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