飯塚オートで開催された先のGIプレミアムカップ。準決勝で3着と善戦した有吉辰也が、一時のどん底をから這い上がり、今や復活のSG優出も現実味を帯びてきている。

 かつてはSG19連続優出という記録を樹立し、カミソリスタートを武器にSG優勝戦でも“必ず”といっていいほど有吉の主導権でレースが始まった。ところが、'13年の事故ですべての歯車がかみ合わなくなった。選手生命が危ぶまれる大怪我を繰り返した。「もう、辞めよう」。同期に引退を告げた。しかし、遠征先からの帰路で待っていたのは選手仲間だった。懸命な説得から引退を思いとどまった。

 SGはおろか、普通開催でもかつての面影はなかった。事故以降、コーナーは悪く言うと「止まっている」感じだった。元々、豪快な“突っ込み”ではなく、しっかり体勢を作って華麗に切り返して抜いていくタイプだが、その華麗さも失われていた。それが、今年は結構難易度の高い組み合わせで2V。そしてSGクラスのプレミアムカップの準決勝でも好勝負を演じるまでに復調し、コーナースピードもかつての輝きを取り戻してきている。

 11月1日からの日本選手権(浜松)では、SGファイナルへ涙のカムバックがあるかもしれない。まずは14日からの伊勢崎普通開催、18日からの浜松GII戦で、どこまでマシンを仕上げるか。しっかりとチェックしておきたい。

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