◆みやざきフェニックス・リーグ 巨人12―0オリックス(14日・サンマリン宮崎)

師匠の“男・村田”に感謝の一発―。巨人・岡本和真内野手(21)が14日、みやざきフェニックス・リーグのオリックス戦(サンマリン宮崎)に「4番・三塁」でスタメン出場。
4回1死には左翼席中段にソロアーチをたたき込み、13日に戦力外通告を受け、チームを去ることになった村田修一内野手(36)へ惜別の一撃を放った。
オフには自主トレをともにするなど、後継者として目をかけてくれた大先輩との別離。
中軸を担い、三塁の後継者になることが最高の恩返しだ。

決意を示すかのように、宮崎の夜空に特大の放物線を描いた。
0―0の4回1死。岡本が初球、吉田一の内角高め直球を腕をたたんでフルスイングした。完璧に捉えた白球は快音を響かせ、左翼席中段に着弾する。
フェニックス・リーグ5試合目にして2本目のソロを放ち、先制点を奪った。

「完璧でした。1球で仕留めることがテーマだったので、この感覚を大事にしたい」。
6回にも右前打を放ち、マルチ安打の活躍。同リーグで20打数10安打の打率5割と安打を量産する。4年目となる来季のブレイクへ、打棒が止まらない。

休養日だった前日13日の夕方。宮崎市内の宿舎にいた岡本はネットニュースで、村田の戦力外を知った。衝撃の一報に心がうずいた。
「やっぱり、さみしい。ずっと憧れで目標の方。同じ三塁で、いろいろ教えて下さったり、声を掛けてくれたので」。
そして、決意を新たにした。「教わったことを無駄にしないで頑張ります。その分、僕ら若手が何とかしないといけない」

感謝しかない。巨人の三塁を担う大砲候補として14年ドラフト1位で入団した岡本は、15歳上の村田からレギュラーを脅かす存在であるにもかかわらず、薫陶を受けた。
16年1月にはグアム自主トレに呼んでもらうなど、師弟関係を築いた。「分からないことがあれば、修さんがいろいろと教えてくれました」。
シーズン中も、岡本が1軍に昇格すると、村田が相手投手の特徴などをアドバイスするのは、よく見る光景だった。

今季の巨人ラストゲームとなった、3日のヤクルト戦(神宮)でもそうだった。この日、出場選手登録された岡本は、試合前練習でティー打撃を村田に見てもらった。
「いいじゃん! 後は気持ちだけだな!」。1軍では出場15試合にとどまり、不完全燃焼だったが、先輩の言葉を胸に刻んで打席に立つと、4回2死には左前打を放った。
後は気持ちだけ―。その一言が、耳にこびりついて離れない。

今季は2軍でも守備は左翼が中心だったが、今秋のフェニックス・リーグから三塁に再転向した。同じ時期、これまで中軸と三塁を担った背番号25がチームを去る。
後釜として期待がかかるが「誰がいても、いなくなっても、やるべきことをやるだけです」と岡本。
三塁の定位置争いにはマギーらもそびえ、競争は激しい。
それでも来季、巨人のホットコーナーを支えた“男”の後継者になるため、この秋は鍛錬に全力を注ぐ覚悟だ。

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10/15(日) 6:04配信