2015年夏。関西にある大学のカウンセリングルームで、4年生の小田雅人さん(22)=仮名=は精神科医に切り出した。「実は、親友に犯されて…」

加害者の男性は、12年来の親友で被害の約1年前、同性愛者だと打ち明けられた。
男性は、小田さんが女性と旅行したことをとがめたり、体を触ったりするようになる。小田さんが抗議すると、馬乗りで顔を殴られ、口を使った性行為を強要された。「嫌だ」と言うたびにペナルティーのように殴られた。

 しばらくして男性の謝罪を受け入れると「誕生日のお祝いをさせて」と食事に誘われた。その日、強姦被害に遭う

翌朝、泣きながら帰宅し、熱を出した。その夜、遺書を書いた。

その後、様々なところに相談するもたらい回しにされ諦めかけた頃。
友人の強い勧めで大学のカウンセリングを受けたのは、被害から5日後のことだった。