同性愛者であることを暴露され自殺に追い込まれたとして、一橋大学の元大学院生の遺族が、同級生らに損害賠償を求める裁判を起こした。
裁判資料などから新たな事実が明らかになり、遺族が初めてカメラの前でその胸の内を明かした。

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仏壇の前で手を合わせる女性。2年前、息子のAさん(当時25歳)を亡くした。

Aさんの母「裁判が終わったら納骨しようかなと。まだ踏ん切りがつかない、というところですね」

2015年8月、一橋大学のロースクールに通っていたAさんが、同級生に同性愛者であると暴露されたことを苦に自殺。
遺族は暴露した同級生らを相手取り、損害賠償を求める裁判を起こし、現在は非公開での協議が行われている。

提訴から1年。Aさんの両親と妹が初めて自らの思いをカメラの前で語った。

Aさんの妹「困っている人に寄り添えるような弁護士になりたいと言っていたのを覚えてますね」

弁護士を目指して勉強中だったAさんは、なぜ自ら死を選んでしまったのか。

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発端は、Aさんが男性の同級生に「自分は同性愛者で恋愛感情を持っている」と告白したことだった。
同級生は「思いには応えられないが、今後も友人関係を続ける」と答えたという。

しかし、その2か月後、友人9人が参加するLINEグループで同性愛者であることを暴露されたのだ。

──おれもうおまえがゲイであることを隠しておくのムリだ。ごめん(実際のLINE)

そしてAさんは、暴露された2か月後、授業中に大学の研究棟から転落し、亡くなった。
Aさんは日頃から友人たちが「同性愛者は生理的に受け付けない」と言っているのを耳にしていて、差別にさらされる不安から体調を崩していたという。

Aさんの母「息子が泣いたり体調崩したりした姿っていうのは初めてなんですね。『ちょっと同級生に裏切られた』としか言わないので」

遺族は、暴露した同級生に対して謝罪を求めている。

Aさんの母「(提訴は)息子の遺志を継いだだけです。(遺品には)友達からの謝罪。謝罪っていう文字だけ書いてありました」

http://news.livedoor.com/article/detail/13734564/
2017年10月11日 19時6分 日テレNEWS24