(ウエスタンリーグ、阪神6−7広島、26日、鳴尾浜)今季限りでの退任が決まっている阪神・掛布雅之2軍監督(62)が、
球団から要請されていた坂井信也オーナー(69)=阪神電鉄相談役=付アドバイザーへの就任を受諾したことが26日、分かった。
ミスタータイガースは27日からのウエスタン・広島2連戦(甲子園)でユニホームを脱ぐが、来季も阪神に残留。違った角度からチームに力を注ぐ。

背番号31のユニホームを脱ぐ。それでも、タイガースとの縁が切れるわけではなかった。虎への愛情は不変。
何より強くしたい。今季限りで退任する掛布2軍監督が来季も虎に残留する。
要請されていた坂井オーナー付アドバイザーへの就任を受諾する意向を球団側に伝えた。

球団首脳が「アドバイザー的な立場から、さまざまなご意見を頂戴したいと思っています」と認めた。
掛布2軍監督の退任が発表されたのは今月10日。
同時に四藤球団社長がフロント入りを要請した。
掛布2軍監督は「はっきりとまだ聞いていない」と態度を保留していたが、球団関係者の話を総合すると、
その後、正式に要請し、快諾の返事を得たという。
この日、大阪・野田の電鉄本社で行われた定例のオーナー報告会で球団から報告された。就任は11月1日で正式な肩書は後日、発表となる。

球団のアドバイザー的な存在としては監督退任後、2004年からオーナー付シニア・ディレクター(SD)として新井のFA補強などにも尽力した
星野仙一氏(現楽天副会長)や、和田豊オーナー付シニアアドバイザー(SA)らが挙げられる。
掛布2軍監督も現役時代、野球解説者、指導者など、豊富な経験を生かし、坂井オーナーのサポート役を担うことになる。

掛布2軍監督はこの日、本拠地・鳴尾浜で最後の公式戦、ウエスタン・広島戦に臨んだ。
朝から大勢の虎党が殺到し、午前10時40分には満員札止め。
収容人数500人の鳴尾浜に、のべ1000人が足を運ぶ、掛布フィーバーとなった。

「たくさんのお客さんが来てくれましたし、勝てばもっとよかったと思いますけど、それなりのゲームになりました」

7点をリードされたが、八回に6点奪って猛反撃。1点届かず、6−7で惜敗したが、猛追に観客席はスタンディングオベーション。
「掛布監督、夢をありがとう」と書いたプラカードを掲げるファンや、涙を流す虎党もいた。

試合後、自身のサイン入りカードを500枚、自らの手で配布した掛布2軍監督は「ありがとうといわれると、照れくさい。
いい緊張感を鳴尾浜にファンの方が与えてくれた。感謝しています」としみじみ。
27日は引退試合となる狩野を「4番」で起用し、同じく今季限りで引退を表明している安藤とも終盤8年ぶりにバッテリーを組ませる予定。
入団時の捕手にこだわりがある狩野へ、粋な計らい。さすがミスタータイガースだ。

「ファンの目が選手を育ててくれる」と言い続けた2年間が幕を閉じるが、サヨナラじゃない。
今度は球団の総帥と二人三脚でまだまだ虎を育てる。
背番号31からスーツに着替えるが、ファンには夢の続きが待っている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170927-00000501-sanspo-base
9/27(水) 5:00配信