ヤンキースの田中将大(28)がピンストライプのユニホームを着て投げるのは今シーズン限りか。
 地元メディアのニュージャージー・ドット・コムが「ヤンキースは田中の代わりになる投手を同地区ライバル球団から獲得するのか?」という見出しで、ヤンキースと田中の今オフに動向について報じた。

 田中は2014年から7年総額1億5500万ドル(当時のレートで約161億円)の大型契約を結んで歩スティングにより楽天から移籍しているが、今季終了後に契約を破棄してフリーエージェントになる「オプトアウト権」を持っている。

 開幕前は、田中が2016年のようにエースにふさわしい成績を残せば、オプトアウト権を行使するだろうと予想されていた。一部の米メディアからは、ヤンキースは早く契約延長交渉を始めるべきだという意見も出ていた。オプトアウトした場合には、フリーエージェント市場に加わることになり、現在の年俸を上回る2500万ドル(約27億7000万円)ほどを手にするのではないかとも予測され景気の良い話が多かった。

 しかし、いざ、シーズンが始まってみれば、田中は早い回にKOされる試合が続いた。夏以降はようやく持ち直し、12勝11敗の数字だが、防御率は4.73でメジャーの4年間では最悪のシーズンとなっている。

 そのような経過もあって、ニュージャージー・ドット・コムは、田中がオプトアウト権を行使した場合、ヤンキースは田中とは交渉せず、田中の代わりになる別の投手の獲得に動くのではないか、と予想しているのだ。

 同記事は「マサヒロ・タナカが、ピンストライプを着て最後の先発をする日が近づいてきていることを意味するかもしれない。もし、ヤンキースがワイルドカードタイトル争いの試合をルイス・セベリーノに任せるとしたら、田中のニューヨークでのレギュラーシーズンの先発は2試合を残すだけになるかも」と書いた。

 さらに「もし、これはまだ仮定の話ではあるが、今オフに田中がオプトアウトを行使してフリーエージェントになればヤンキースはコストの低いベテランに田中の穴埋めをさせることを考えるかもしれない」と続けた。そのベテランに該当するのは、タンパベイレイズの右腕、アレックス・カッブではないかと予想。カッブは、9月17日終了時点では、28試合に先発し、173回1/3を投げ、防御率3・63だ。確かに今季の田中より好成績を残している。

 オプトアウト権の行使を控えて、価値を落としてしまった田中だが、10月に巻き返しのチャンスがあると見ているメディアもある。

 米スポーツ専門局ESPN電子版は「フリーエージェントになる選手は10月に活躍すると、より大きな報酬を得られるかもしれない」という見出しで、オフのFA市場について報じた。

 ヤンキースの田中や、ロイヤルズのホズマーら6人を取り上げて、ワールドシリーズ優勝をかけた10月のポストシーズンの戦いがオフの交渉にどのような影響を与えるかを分析している。

 同記事は「田中はヤンキースの事実上のエースとしてシーズンを迎えたが、ルイス・セベリーノの急成長とシーズン終盤に向けてソニー・グレイを獲得し、田中自身の不振もあって、その存在が薄らいだ。6月の月間防御率は3.94、7月の月間防御率は3・82だったが、田中の防御率か5点を下回ったのは8月になってから。もし、彼がシーズン終了後にオプトアウトするならば、10月にエースにふさわしい数字を残すことで、よい条件を得られるかもしれない」としている。
 
 ヤンキースがワイルドカード枠を勝ち取って、ポストシーズンに進出できるどうかは分からないが、田中にとってはポストシーズンでの登板は、下落した価値を上げるチャンスになりうるということだろう。

9/19(火) 5:00配信  THEpage
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