「もう相手はバテていたんで、仕留められたと思いますけどね。僕もチャンスがあったし」

UEFAヨーロッパリーグ(EL)のグループリーグ第1戦。
原口元気が所属するヘルタ・ベルリンは、ホームにアスレチック・ビルバオを迎え、0−0で引き分けた。
前半はビルバオが、後半はまったく別の試合になったかのようにヘルタが圧倒的にゲームを支配しながら、お互いにチャンスを活かし切れずスコアレスドローに終わった。

原口が残した冒頭のコメントでも分かるように、試合全体の流れを考えれば「勝てた試合だったのに」との思いがより強かったのはヘルタのほうだろう。原口が続ける。

「前半は相手がうまくやっていたと思うけど、後半は(ビルバオの選手が)やたらバテていたというか、ホントに違うチームのようになったんで、チャンスはたくさんあったんですけどね。
れ的にはそう(後半に勝負を決められた)でしたね、今日の試合は」

とはいえ、試合中の原口がチームの勝利だけに集中していたとしても、試合が終わった後の、彼のこの試合における最大の関心事は、おそらく結果ではなかったはずだ。

ドイツ・ブンデスリーガが開幕し、すでに3節が終了したが、原口はそのすべてでベンチスタート。うち2試合に途中出場したにすぎない。

だからこそ、リーグ戦の合間に行われるELは、出番の少ない背番号24にとって試合出場の絶好機だったのだ。
実際、試合前日にはヘルタのパル・ダルダイ監督も、週末のリーグ戦からのメンバー入れ替えを示唆していた。

やっと自分にも出番がやってくる――。原口は苦笑まじりに「そう思っていましたけどね」と語る。

ところが、確かに先発メンバーのうち5人が入れ替えられたものの、そのなかに“GENKI HARAGUCHI”の名前はなかった。

「僕が今日与えられたのは5分、10分なんで。そこでやるしかなかったですけどね」

原口は乾いた笑いを浮かべ、発する言葉も途切れがち。受けたショックが決して小さくはないことを物語っていた。

「今日は相当(自分に出番が巡ってくる)チャンスゲームだった、と。ブンデス(リーグ戦)では、
ああいう交代の仕方(先発メンバーを大きく入れ替えること)はしないので。まあでも、(試合は)続くからね」

原口が力なくつぶやく。

「よく分かんないですね、オレも」

原口がダルダイ監督から事実上の戦力外と見なされているとの現地報道は、今季開幕前からあった。
原口自身、「プレシーズンは全然試合に出させてもらえていなかった」と認める。

原口が他クラブ(イングランド・プレミアリーグが有力と見られていた)への移籍を希望し、
ヘルタとの契約延長がなかなか決まらなかったことがその理由だと言われているが、もちろん、真相は定かではない。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170916-00010006-sportiva-socc
9/16(土) 17:56配信