日本将棋連盟が金属探知機による身体検査を対局者に課す新規定を導入することが13日、分かった。電子機器による不正行為の防止策をより厳格化するための新ルールとなる。

関係者によると、対象となるのは将棋会館(東京都渋谷区)、関西将棋会館(大阪市福島区)で行われる全公式戦。対局室に入る前に別室で連盟職員が金属探知機による身体検査を行い、同時にカバンの中身を目視で確認する荷物検査も実施する。最低限必要なものだけを取り出させ、カバンそのものをロッカーに預けさせる案もある。

全ての棋士、女流棋士が対象になる。女流に対しては女性職員が対応する。10月1日から11月30日まで試験的に導入し、その後、正式に新規定として施行する予定だ。今年3月に設置された対局規定委員会(棋士4人、女流棋士2人)からの答申を受け、常務会で決議。施行の運びとなった。既に、地方の旅館などで行う一部のタイトル戦では主催者と対局者の意向によって探知機による検査を行った例もあるが、今回の新規定によってスタンダード化されることになる。

背景にはコンピューターソフトの進化がある。タイトルホルダーに勝る棋力に達し、多くの棋士が研究に用いているのが現状だ。昨年12月には、対局開始から終了までスマートフォンを連盟内のロッカーに預けることを義務化し、昼・夕食休憩時などの敷地外への外出を禁じる規定を設けたばかり。さらに、不正行為を疑われたことに関連して三浦弘行九段(43)が出場停止処分を受けたが、第三者委員会の調査で「不正行為の証拠なし」との結果が出て連盟が謝罪に至った経緯もあるだけに、再発防止のためにルールを厳格化した形だ。

一方で、罰則について明確な規定がないことを疑問視する声もあり、整備が急務となりそうだ。

ソース/スポーツ報知
http://www.hochi.co.jp/topics/20170913-OHT1T50288.html