BABYMETALは、コンサートにて「We Are BABYMETAL!」と叫んでいる。これはX JAPANのコンサートでの「We Are X!」のオマージュであることは言わずもがなだろう。 この「We Are X!」は、X JAPANのドキュメンタリー映画『WE ARE X』のタイトルにも使用されており、また彼らのインディーズ時代には同名の楽曲もあった。 YOSHIKIメロディが炸裂しつつも、IRON MAIDENのニオイも感じさせ、今からでも新録でリリースしてほしいくらいの美味しい楽曲だ。
そしてジャパメタの黎明期には、X JAPANの他にも、大阪出身のヘヴィメタルバンド魔女卵(まじょらん)が「We Are 魔女卵」というバンドのテーマ曲を持っていた。 この楽曲は、ジャパメタラーにとって重要な実写映画『魔女卵』(1984年)のオープニングテーマにもなっている。 余談ではあるが、同映画のキャッチコピーは“ツッパリ魂+OSAKA=ヘヴィ・メタル・キッズ”というもので、 その内容は、関西のライヴハウス“BAHAMA”を舞台に、ロックバンドのメンバーに恋したツッパリ少女が奔走する青春ツッパリメタルモノ(なんじゃそりゃ……)だった。
BABYMETALは「BABYMETAL DEATH」、X JAPANは「X」という楽曲を持っている。 ほかには、Earthshakerの「EARTHSHAKER」、ACTION!の「ACTION! 100,000VOLT」、BLIZARD「BLIZZARD」、 ANTHEMの「WILD ANTHEM」、聖飢魔IIの「The end of the Century」などがこれに当てはまる。
おそらく、日本のヘヴィメタルの始祖であるLOUDNESSが、デビュー・アルバム『THE BIRTHDAY EVE 〜誕生前夜〜』(1981年)の1曲目に、 「LOUDNESS」というナンバーを入れていたから、後続バンドらもそのフォーマットに則ったのではないだろうか。
ところで筆者が海外ヘヴィメタル・バンドに、バンドのテーマ曲があることを認識したのは、ヘヴィメタルの世界に入門後、しばらく経ってのことだった。 HELLOWEENの「HELLOWEEN」、HEAVENS GATEの「GATE OF HEAVEN」、BLIND GUARDIANの「GUARDIAN OF THE BLIND」、 REACTORの「REACTOR」、HELICONの「HELICON PART 2」など、ジャーマン・メタルのバンドがテーマ曲を持っていたのである。