地元が生んだシンデレラボーイ

我が家のリビングに10年間ずっと飾られている一枚の写真がある。当時11歳だった私の長男をヒザに乗せ、眩いばかりの笑顔を見せている。

浅尾拓也。私の知り合いが浅尾の大学野球部の先輩というつながりで、ドラフト後に紹介され、キャンプのオフ時間に訪ねたりして交友を温めていった
高校時代は全く無名の存在で、大学4年時に一躍ドラフト候補生に躍り出たシンデレラボーイ。
ついついテングになりそうなものだが、ユニホームを脱げばただの一般人に早変わり。ニット帽を被り、純朴な好青年に姿を変えた。

大学時代は野球一本に打ち込める環境ではなく、中部国際空港でバイトしながら、グラウンドで汗を流した。
雑草魂でチームを愛知大学野球リーグ2部から1部へ昇格させる働きをみせ、見事プロ入りの切符を勝ち取った。
そんな彼に魅力を感じ、また地元の有望新人を応援したい一心で、入団と同時に有志3人と“浅尾拓也・男の会”なる男だけの応援団を勝手に設立。
シーズン終了後と開幕前の年2回、激励を込めて会を開き、お互いの心を開いていった。
浅尾本人からも飲み代を徴収する、堅苦しさが全くない親睦会で、その時ばかりは野球の話は一切なく、人生の先輩として相談に乗ったりもした。

彼について感心したことといえば、入団1年目から肩を故障し、2年目も開幕二軍スタートという苦渋を味わったことから、
シーズンの目標を聞かれても一切調子の良い言葉は選ばず、いつも一年間一軍に定着を掲げていたこと。
何があっても目標を変えることなく、決して驕らず。一軍にいてこそ全てが始まる、そんな浅尾の揺るぎない信念を感じた。

3年目のシーズン、初の開幕一軍入りを果たし、自身初の開幕投手を務め、見事勝利投手に輝いた。
7月にはセ・リーグ新記録となる月間11ホールドを記録し、月間MVPを受賞し、チームの顔へと成長していった。
置かれる環境が劇的に変わっても彼の人柄、ふるまいは全く入団した時のまま。
スター気取りは何一つなく、いつ何時もファン一人一人に丁寧に応対していた。
そんな姿を見て、年2回の懇親とはいえ、3年目のオフを最後に男の会を解散させた。
何かあればまた集まればよい。彼の負担になってはいけない、ただそれだけだった。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170907-00004047-bunshun-spo
9/7(木) 11:00配信

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成績